試合レポート

県岐阜商業vs大垣商業

2010.04.23

2010年04月24日 長良川球場

県岐阜商業vs大垣商業

2010年春の大会 岐阜県春季大会 準々決勝

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恩田(県岐商)

県岐阜商 内容的には不本意ながらも継投完封で4強進出。

 昨夏の甲子園ベスト4の県岐阜商は、そのメンバーも何人か残り、今大会もセンバツ8強の 大垣日大 と並んで高い評価を受けている。まして、今春の岐阜県は、昨秋の東海大会で4強進出している中京が不祥事で出場辞退をしており、2強対決という構図が浮き彫りにされている。
 昨秋の県大会も準優勝している県岐阜商だが、東海大会では初戦で乱戦の末、 豊川 に苦杯を喫した。その結果を受けて、投手陣の整備は一つのテーマにはなっていた。昨夏は山田君(現専修大)という絶対的な存在がいた分だけ、その穴埋めは大変だったということかもしれない。

 その県岐阜商は初回、1死後死球と酒井田君、井貝君の中軸の連打であっさり先制した。しかし、その後は県岐阜商も攻めきれず、5回を終わって1―0、次の1点がどちらにどういう形で入るのかによって展開が変わりそうな試合になってきた。

 先発は共に左腕だったが、県岐阜商の櫻田君はダイナミックに投げ込んできて、スピードもある力投型。 大垣商 の服部晃君はスリークォーターというよりはやや低い位置から腕が出てくるのだが、左右のコースを突いてくる

出し入れを持ち味としていたが、変則気味で手の出どころも見づらく戸惑ったのではないかという印象だ。とはいえ、球のキレ味もあって好投手という印象はあった。

 1点差のまま県岐阜商は6回から松田君にスイッチ。思い切った継投のようにも映ったが、藤田明宏監督としてはこの試合に関しては当初の予定徹りだったという。代わり端に二番服部貴君にいきなり右前打されたものの、その後を併殺で切り抜けているのも、投球の巧さともいえるのかもしれない。

 そして、その裏県岐阜商は2死からこの試合初打席の松田君が右前打すると恩田君が中前打でつなぎ、二番児玉君が右中間三塁打で二者を返した。7回にも、2死から後藤君がバント安打で出ると二塁盗塁し、死球を挟んで出口君が左前打しダメ押しともいえる4点目が入った。

 結局、県岐阜商は投手3人を使って完封。藤田監督は、投手陣に関しては、「悪いなりには、結果としては完封できたということは投げられたのだと思います」と、判断していた。ただ全体に関しては、「出来としては70点くらいでしょう。試合経験のある選手も多いのですから、もっと自信を持ってやってほしいんですけれどもね、心技体のバランスがよくないんでしょうか。夏まで3カ月ありますから、そこまでにしっかりと作っていかないといけません」と厳しかった。それでも、県ベスト4、やはり安定した力を示している。

 確かに、プロも注目する井貝君はじめキャリアのある選手が多い県岐阜商である。指揮官としては欲が出てくるのも当然かもしれない。
また、 大垣商 としても完封はされたものの、チームとしてのまとまりは十分に感じられた。

(文=手束 仁

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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