熊本工業vs宮崎工業
6回に2ランを放った今村(熊工)
熊工・4番、貫録の一発!
北九州市民球場、左中間席の中段に飛び込んだ。熊本工4番・今村裕一郎(3年)の一発は強烈だった。
相手は選抜で1勝を挙げた 宮崎工 の左腕・浜田智博(3年)。今村は「あんなに打ちづらい投手はいない」と舌を巻いたが、狙っていた低めのスライダーを迷いなく振り抜いた。
1年秋から熊本工の4番に座るスラッガー。しかし2年生で迎えた昨夏の甲子園では、2打席凡退で試合から退いた。悔しさを持って臨んだ新チームから突然本塁打を量産する。野田謙信前コーチからの一言で目が覚めたからだ。
「無駄に力が入りすぎている」。
パワーヒッターにありがちの力みが取れたスラッガーは、この春の練習試合から早くも8本目の本塁打。県大会では外角でしか勝負をしてくれなくなったという。しかし、強豪揃いの九州では他のコースでも勝負をしてくれた。そのなかで打てた本塁打には本人も上機嫌。報道陣を爆笑させるトークに、横で見ていたエースの月田雄介(3年)は「調子が良いといつもあんなんですよ」と笑った。
目指す舞台は2年連続の夏。184センチ94キロのスラッガーは今年こそ、甲子園で爆発する姿を思い描いている。
(文=松倉雄太)
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