東葛飾vs柏南

流れを呼び込み、ものにした東葛飾。6回に7点を入れる猛攻で、大逆転勝利！

東葛飾が先攻で試合が始まった。 柏南 の先発小川啓輔はストレートがそれほど速くないので、低めに丹念に突く技巧派右腕だ。初回を無失点で切り抜ける上々の立ち上がりをみせる。対する東葛飾の先発伊藤陽介は右スリークォーターから投げ込む技巧派右腕。ストレートに、縦に落ちるスライダーが武器の投手だ。 柏南 は１番新井がレフトを抜けるツーベースを放つ。２番畑中がプッシュバント。投手と三塁手の間に転がり、投手が処理し、送球するが、間に合わずセーフ。ノーアウト１，３塁のチャンスを作り、スクイズと５番曽根のタイムリーで２点を先制する。

　２点を援護してもらった小川だが、ぴりっとしない。２回には二死満塁、４回にも二死満塁のピンチを迎える苦しいピッチング。なんとか切り抜けたが、追加点が欲しい状況であった。
　追加点を入れたい 柏南 打線だが、２回以降、伊藤が立ち直り、点が奪えない。２回以降、試合は動かず、６回を迎えた。
　６回の表、先頭の高橋が右中間のツーベースでーアウトからチャンスを作る。東葛飾はこれが初の長打。何かが起こる予感がした。６番折笠がセンター前ヒットで1点を返すと、9番伊藤の2点タイムリーで逆転。その後も集中打を浴びさせ、一挙７点を入れる猛攻で東葛飾が逆転した。

　６回の裏、ショートのエラーでノーアウト２塁のチャンスを作るが、後続が凡退し、無得点に終わる。
　７回の表、東葛飾は９番伊藤がセンター前ヒットで出塁。バントで送って、ワンアウト二塁にして、２番細川が打ち上げた打球はセンターへ飛ぶ。センターは追いかけ、グラブを出すが、ボールがグラブに当たり、伊藤がホームイン。そして５番伊藤がこの日３安打目となるヒットで、細川がホームイン。9対2。7点差とした。
７点差とした。
　７回の裏、 柏南 は先頭の佐藤がヒットで出塁するものの、後続が倒れてゲームセット。東葛飾がコールド勝ちを収めた。

　両チームの実力差はなかっただけに、思わぬ結果となった。ただ2回以降、東葛飾の伊藤が立ち直ったことで、少しずつ流れが東葛飾側に傾き、そして6回、先頭の高橋が初の長打を打ったことで、大きく流れが傾いたと思う。東葛飾は自分たちが呼び込んだ流れを逃さず、大逆転劇を演じた。 柏南 は初回に先制してから追加点を奪えず、2点を守る立場になった。小川投手は5回まで粘り強い投球で、無失点に抑えたが、6回に力尽きた。 柏南 は逃げ切る難しさ、苦しさを学んだのではないだろうか。それにしても接戦ペースから、一気にコールドゲーム。野球とは怖いスポーツである。

(文=高校野球情報.com編集部)

東葛飾	0	0	0	0	0	7	2									9
柏南	2	0	0	0	0	0	0									2

東葛飾：伊藤―林　　　　　柏南：小川、玉置、佐藤―曽根