試合レポート

二松学舎沼南vs芝浦工大柏

2010.04.09

2010年04月10日　野田総合運動公園野球場

二松学舎沼南vs芝浦工大柏

2010年春季千葉県大会　ブロック予選　1回戦

久万（二松学舎沼南）

最後の最後まで、緊張感のある１点を争う好ゲーム

　二松学舎沼南が先攻で始まったこの試合。芝浦工大柏の先発萩原はストレートこそ速くないものの、チェンジアップ、スローカーブを交えて緩急初回に２番松島にレフト線二塁打を打たれるが、後続を抑えて、無失点に切り抜ける上々のピッチングをみせる。

　対する二松学舎沼南の先発木村は「背番号４」をつけた右投手。ストレートはそれほど速くないので、低めに突く投球で初回無失点に切り抜ける。

　４回の表、二松学舎沼南は３番小島がセンター前ヒット。４番斎藤の四球でノーアウト１，２塁のチャンスを作る。そのあと、ワンアウト２，３塁となって、６番木村がスクイズ。二松学舎沼南が先制する。

　６回の表、二松学舎沼南はツーアウトから８番小沼のタイムリー、１番今野のタイムリーで２点を追加し、３－０とする。

　その裏、二松学舎沼南はここまで好投の木村をセカンドへシート変更し、左腕の浅間を投入した。

芝浦工大柏は浅間に襲いかかる。４番本田がレフトオーバーのツーベースを打つと、５番萩原がセンター前ヒットを放ち、芝浦工大柏が１点を返す。萩原はこれで３打数３安打の猛打賞。

　　さらに７回の裏。芝浦工大柏はこの回から登板した左腕の大村から１点を返し、１点差に迫る。

　そして８回の裏、先頭の萩原がまたもセンター前ヒット。萩原、４打数４安打の大当たり。バントで送って、ワンアウト二塁。ここで二松学舎は７番大島から代打・寺原を送る。寺原は３球目の直球を捉えて、センター前ヒット。萩原が還り、同点に追いつく。萩原はベンチ前に大きくガッツポーズ。芝浦工大柏は一気に押せ押せムードになってきたが、続く笠原が痛恨のダブルプレー。結局勝ち越すことができず、同点のまま９回を迎えた。

　９回の裏。先頭の佐藤が四球で出塁。その後ツーアウトとなって、３番光岡が四球。ツーアウト１，２塁となったところで４番本田。しかし本田はセンターフライに倒れ、延長戦となった。

延長１０回の表、二松学舎沼南は先頭の斎藤が四球　　８番のところで代打・久万を送る。久万が捉えた打球は前進守備の外野の頭を抜けて、ボールは転々。走者一掃のツーベースとなり、６対３と大きく勝ち越した。そしてツーアウト1,3塁から1番今野の内野安打でダメ押し。

　最後は8回裏から登板している木村が締めて、二松学舎沼南が接戦をものにした。

素晴らしかったのはこの試合、延長で二松学舎沼南側が失策を記録するまで、両チームとも無失策だったこと。これには拍手を送りたい。これで締まった試合になり、見ているものを惹きつけることが出来たのではないだろうか。さらにこの試合を盛り上げたのは同点打と勝ち越し打を打ったのがいずれも代打の選手だったということ。監督にとっては采配を的中させた喜びがあり、代打の選手は監督の期待に応えた喜びがある。打った選手の笑顔がなんとも微笑ましかった。

　芝浦工大柏はあと一歩まで追い詰めたが、４安打放っている萩原をチャンスメーカーに回ってしまったこと。同点に追いついた直後にダブルプレーでチャンスを潰してしまったのが痛かった。

　二松学舎沼南は西武台千葉と対戦する。

(文=高校野球情報.com編集部)

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