大府vs常滑
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【常滑北原君の好打】
常滑大善戦、知多の雄大府を苦しめる!
愛知県の知多地区では唯一甲子園出場実績を持つ大府。地区の中ではずば抜けた強さと実績を誇っている。言うならば知多地区各校は、大府とどれだけ戦えるのかが、その年のチーム力のバロメーターとしているといっても過言ではないくらいなのである。その大府に対し、常滑が食い下がって好試合となった。
前日に降り続いた雨の影響で予定時刻より1時間半ほど遅れて開始された試合だった。
初回、大府は五番近藤君の右越二塁打などであっさりと2点先制。しかし、常滑はその裏小栗君が内野安打で出ると、2死二塁となってから四番北原君が左翼線へ上手に運ぶ二塁打で1点を返し、さらに四球後小久保君の左前打で同点とした。
大府は3回に安打で出た一番神谷君を四番榊原君の左越三塁打で返し、近藤君も一二塁間を破って続き突き放した。しかし、常滑も4回に制球を乱して死四球で満塁としてしまった大府の先発山下君から二番水野君が右前打して1点差。
これに対し大府は5回に近藤君の左線二塁打などで再び突き放し、6回にも榊原君の中前打で4点差とした。
ところが、常滑はそれでひるまなかったから立派だった。その裏、3回に代打で出てそのまま一塁に入っていた原君が左翼ポール際に2ランを放ち追い上げる。風に乗った一打とはいえ、98メートルの柵越えは見事だ。
結果的には、8回にも榊原君の犠飛で突き放した大府が逃げ切ったが、試合ぶりとしては常滑の健闘が光った印象だった。その原動力は、8点を失ったものの、左腕から伸びのある球を投げていた北原君だ。北原君はやや線は細いものの、しなやかに投げ込んでいた。また、打っても四番で3安打していたが、左打者でレフト方向へ運ぶバットコントロールも巧みだった。
守りでも常滑は初回には送球ミスはあったものの、大きく崩れることはなく、しっかりと練習をしているチームという印象を与えてくれた。
これに対して大府は、例年の迫力にはやや乏しく感じたのは、選手が小粒なせいだろうか。7回を投げて5失点の山下君も、制球に苦しんで9四死球は反省材料だろう。制球で苦しんでストライクを取りにいったところを打たれて11安打された。リリーフした小島君は2回で3三振を奪ったものの、9回は四球と小久保君の二塁打などでピンチを招いていた。それでも、二塁手渡辺君の好守などは、さすがに“OBU”のユニホームを着ている選手だなという印象は与えてくれた。
(文=手束 仁)
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