試合レポート

国士舘vs帝京

2008.10.24

2008年10月25日 神宮第二球場

国士舘vs帝京

2008年秋の大会 秋季東京都高等学校野球大会本大会 準決勝

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荷川取君(国士舘

国士舘 執念の逆転勝ちで決勝進出!

いよいよ秋季東京大会も準決勝に入った。25日(土)、神宮第二球場で行われた準決勝第一試合は帝京vs国士舘。強豪校同士の白熱した試合は序盤帝京ペース、終盤は国士舘ペースで進んだ。

両校の先発は、帝京が身長190㎝の大型右腕・荻谷君。対する国士舘は技巧派の荷川取君。まずは初回、帝京が攻撃を仕掛ける。 2アウトながらランナーを1塁に置くと、ここで4番原口君はレフト線ぎりぎりにタイムリー3ベースを放つ。 帝京がまずは1点を先制。

先制された国士舘であったが、その裏すぐに点を取り返す。この回先頭の1番高橋君がヒットで出塁すると、盗塁とバントを絡めて1アウト3塁とする。 3番打者は倒れたものの、4番原島君が持ち前の打撃力でセンターへはじき返し、同点とする。

追いつかれた帝京だが、ここから実力を発揮し始める。 3回表、2アウトから2番星君が左中間へ2ベースヒット。ここで打席には前の打席でタイムリーを放っている4番原口君。 2ストライクと追い込まれたが、甘く入った球を見逃さずフルスイング。打球はぐんぐん伸び、レフトスタンドへ突き刺さった。 帝京が4番の一振りで3-1と勝ち越しに成功する。

荻谷君(帝京

4回表にも犠牲フライで1点を追加された国士舘だが、4回裏には相手の隙をつく。 4番原島君が塁に出ると、2アウトとなって6番鈴木君がライトへヒット。サードへの送球が逸れ、ボールが転がる間にランナーの原島君がホームイン。 国士舘が1点を返し4-2とする。さらに次の回、国士舘の打線が勢いを増し始める。先頭の8番今泉君がライト前ヒットを放つと、バントと進塁打で2アウト3塁のチャンスを作る。ここで2番植草君がセカンドへ絶妙な内安打を放ち、1点を返す。さらに続く3番福田君はレフトへタイムリーヒットを放ち、遂に国士舘が追いついた。

緊張感のある好ゲームは4-4のまま、7回に入る。 帝京は7回表、先頭の2番園田君がセンターへはじき返し、塁に出る。バントで得点圏にランナーを進めると、4番原口君がセンターにヒットを放ち、1アウト1,3塁。続く5番佐藤君は死球で満塁とする。勝ち越しのチャンスで打席に立った6番岡部君の内野ゴロの間にランナーが1人還り、帝京が貴重な1点を加える。

しかし、ここから粘って試合の主導権をものにしたのが国士舘。 7回裏には6回からマウンドに上がった帝京・川上君を攻める。 1アウト1塁で2番植草君が今日2本目の内安打を放ちチャンスを作る。 3番福田君もヒットで続き、1アウト満塁で4番を迎える絶好の形を演出した。その4番の原島君は死球で押し出し。 帝京は点をすぐに取り返されて、同点としてしまう嫌な展開。続く5番北川君の打った打球はセンター前に落ち、逆転のランナーをホームに返す。これで6-5。国士舘はこの試合始めて帝京からリードを奪う。

序盤以降なかなか繋がらない帝京打線は8回表にチャンスを作る。 2アウト1,2塁と得点圏にランナーを進めると、3番星君がレフト前へはじき返し、満塁とする。このビッグチャンスで打席には今日3安打、1HRの4番原口君。しかし、国士舘の変わったばかりの投手・鈴木君にセカンドゴロに抑え込まれ、チャンスを逃してしまう。

リードする国士舘は8回裏にも貴重な1点を加え7-5で最終回を迎える。最終回、国士舘は1アウトから帝京6番岡部君の2ベースヒットでピンチを招くものの、後続を断ち、そのままゲームセット。手に汗握る好ゲームは7-5で国士舘が競り勝った。 国士舘は投手以外、先発全員安打と切れ目のない打線をみせつけ、最後は荷川取君―吉井君―鈴木君の継投で強豪・帝京を下した。いよいよ国士舘が明日、決勝の舞台に上がる。


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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