日本プロ野球トレーナー協会OB会副会長 佐藤圭司さん、城島健司選手 元専属トレーナー 藤田一郎さん
第4回 トレーナー 佐藤圭司さん 藤田一郎さん2007年08月14日
![](/images/intvw/zenkoku/20070814no02/photo01.jpg)
今回は日本プロ野球OBトレーナー協会理事の佐藤さんと、城島健司(シアトルマリナーズ)の元専属トレーナーの藤田さんにお話を伺いました。
伺ったお話は4つ。プロ野球選手のトレーナーとはどんな仕事で、どのようにしてトレーナーになったのか。プロ野球選手はどんなトレーニングをしているのか?そして一流選手の野球への取り組み方。最後に高校球児へメッセージを頂きました。
プロ野球選手のトレーナーとは?
![藤田一郎さん](/images/intvw/zenkoku/20070814no02/photo03.jpg)
藤田一郎さん
――どうやったらプロ野球選手のトレーナーになれるのでしょうか?
藤田さん(以下「藤田」) トレーナーの養成学校の講師をやっていた時、生徒には学校にいったからといってもプロ野球のトレーナーにはなれないと言っていました。
――何故ですか?
「藤田」 プロ野球のトレーナーは1球団に7〜8名しかトレーナーがいない。とにかく枠が狭い。そしてプロ選手(プロアスリート)のトレーナーであるので有資格者を採用するのが基本。鍼灸、柔整、マッサージ等の国家資格が基本。関係者と知り合いになるか、相当な技術がないと厳しいですね。(採用の仕方は12球団バラバラなので一概ではない。)
――プロ野球選手トレーナーという職業についての簡単にご説明してください。
「藤田」 選手の毎日の健康管理。疲労回復ケア。テーピング。ドクターとの連携が主な仕事。選手と首脳陣とのパイプ役も重要な仕事であり、人間関係の構築も重要な仕事になります。
――怪我をしない体をつくるためにはどういったケアをすればよいのか?
「佐藤」 アイシング、マッサージは基本。痛めてすぐ、あるいは使いすぎた場合は冷やす。(急性)逆に慢性的なものに関しては暖めることも有効。冷やして駄目なら暖める。暖めて駄目なら冷やす。考え方はシンプルです。
――秋山(幸二)選手、城島選手と長距離ヒッターのトレーナーをされていますが、身体的な特徴は??
佐藤さん(以下「佐藤」) 秋山幸二選手は黒人のようなやわらかい筋肉。筋肉を使うときに一気に凝縮して硬くなります。疲れにくい良質な筋肉です。
「藤田」 自分は選手を見る時、ふくらはぎを見ているのですが、城島選手は良いふくらはぎを持っています。それと目が良いですね。
![佐藤圭司さん](/images/intvw/zenkoku/20070814no02/photo02.jpg)
佐藤圭司さん
――どんなトレーニングをしているのでしょうか??
「藤田」 私が城島選手の専属トレーナーの時は下半身中心のトレーニング。野球とは静と動の繰り返しのスポーツなので、瞬発力を(長時間)持続できるトレーニングを中心にメニューに組んでいました。
メジャーではトレーニングコーチがバランスのとれたトレーニングをやっているようです。メジャーリーグの日程上やはり疲れを残さない事が中心にプログラムされているのではないか、と藤田さんは見ていました。
一流選手を間近に見て感じたこと
■一流選手は四六時中野球のことを考えている。どんなことでも野球に結び付けようとしている。
■素直な選手が多い。
■怪我に強い…怪我をしても致命的な怪我はしないし、回復が早い。(素材は良くても怪我で。。。という選手を見てきた結果)
■城島選手…観察力が凄い。気づきの力がある。心構えがいい。
高校生にたいして
「佐藤」 スポーツマッサージを受けて下さい。スポーツマッサージは決して敷居は高くないです。特に投手の肩は消耗品。スポーツマッサージを受けてケアする事は重要。自分の体を見てくれる人を捜す事は怪我の防止にもつながりますし、すごい重要なことだと思います。
「藤田」 比較的、UPの際は時間を入念にとるのに練習が終わった後のケアがおろそかになりがち。疲れを次の日に残さないようにクールダウンに力を入れてください。ここの部分は練習時間ではクールダウンに時間をとれない学校もあると思うので、自分で時間を作ってやってほしいですね。
スタッフ後記
気さくなお二人で、様々なお話が聞けました。そして、スポーツマッサージをもっと身近に感じてほしいという気持ちが伝わってきました。経歴にも書いてある様に、一流アスリートの専属トレーナー。技術と知識。たくさんの引き出しを持っている方です。スタッフ一同かなり刺激を受けたインタビューになりました。