株式会社ベースボールコミュニケーション 代表取締役 安田厚さん
第4回株式会社ベースボールコミュニケーション 代表取締役 安田厚さん2007年10月07日
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インタビュー
日本人メジャーリーガーが10人を超え、野球のグローバル化進む時代、10年前に比べ、高校球児の選択もたくさん増えてきたように思います。一昔前のように首都圏の大学か、社会人野球か、とうイメージから地方大学で野球をする。クラブチームで、専門学校で、独立リーグでと首都圏の大学、社会人だけでなく自分の可能性にかけてみる場所が増えてきました!その一つとしてアメリカの大学で野球をする!という野球留学も最近は注目されています。
今回の情報掲示板独占インタビューはアメリカの大学で野球をする!とうテーマです。そこで、 (株)ベースボールコミュニケーション安田さんにお話を伺ってきました。皆さんの、野球人生の一つの選択肢(きっかけ)になれば幸いです。
![天然芝のボールパーク](/images/intvw/zenkoku/20071007no04/photo02.jpg)
天然芝のボールパーク
スタッフ(以下 ス) まずはアメリカの大学野球の環境は?
安田さん(以下 安) アメリカの大学野球は、日本でいう甲子園と同様でカレッジリーグというのがありアマチュア野球の中では一番人気があります。日本では甲子園とかインターハイとか高校スポーツの方が、さかんだけど、アメリカでは大学スポーツがさかんです。例えば野球以外もアメフトやバスケットボールなど、いろんな大学スポーツの人気がありますね。
ス それは何故ですか??
安 何故かと言うと、大学と地域が一体となってイベントを盛り上げようという、日本ハムやソフトバンクのような地域密着型になっているからです。また、スポーツマネジメントを専攻している学生が、実践の勉強としてイベント運営にも携わっているからです。だからアメリカの大学スポーツは盛んなのです。
ス On The Jobtraining ですね。
安 はい。そういう流れです。その中で大学野球も盛んです。ただ日本でそういう情報が無い。あるとしたら普通に留学に行くとかMBA撮るためアメリカに留学する等の情報はあるんだけど。(笑)最近は学業だけでなくだんだんスポーツの分野でも生徒を受け入れるようになってきました。
ス 野球留学するには何が必要ですか?
安 野球の技術があれば、行けます。そこが大命題です。その先には奨学金制度がある。いわゆる早稲田、慶応等に野球の特待生で行くのと同じでアメリカにその制度を使い行くということです。(選手は入学金が免除であったり授業料を奨学金を使って払うなど。)いよいよ野球も今後アメリカの大学で野球をやるというのも定着してくるはず。一つの選択肢として考えられる時代は来ると思います。
ス 具体的にアメリカの大学ではどのくらいのレベルであれば行けるのですか?
安 高校卒業レベルでは日本の方がレベルは高いので、高校では都道府県でベスト16とか8とかそのレベルであれば大丈夫です。もちろん初戦敗退していてもそのレベルに達していれば、全く問題ありません。
ス 英語力とかは??
安 英語力は後から勉強すれば良い事です。アメリカでやりたいとう気持ちと野球の技術があればOK。大学側も生徒を野球でとるので、それに対して奨学金を払う事ですのでかまいません。
![アメリカでの、試合風景](/images/intvw/zenkoku/20071007no04/photo03.jpg)
アメリカでの、試合風景
ス アメリカの大学はいつから
安 8月もしくは1月にスタートが多いです。まちまちです。日本みたいに4月スタートではないです。
ス 日本に帰ってくる場合のフォローは?
安 就職など日本へ帰国する際のフォローもしっかりしていきます。ただやっぱり留学して生徒がメジャーリーグに行くのが一番。それが駄目なら日本のプロ野球に行く。それも駄目ならアメリカもしくは日本で働くわけなんだけど、やっぱり日本の大学生でないので日本にいる学生のように就職活動ができないので就職のサポートはしていきたいです。
ス アメリカの大学野球について教えてください。
安 全米大学体育協会(NCAA)が主催するリーグで、ディビジョンⅠ・Ⅱ・Ⅲなどのリーグがあります。いわゆる1部リーグ、2部リーグなどです。また練習は日本と違い、あんまり朝から晩までびっしり練習する習慣が無い。1日2〜3時間くらいです。後は勉強。凄くホームワークが多い。なかなか遊んでいられない。特に日本人は英語の勉強もしなければならないので大変です。その代わり、4年後卒業する時は、英語が身についています。
入ってからが厳しいですが、それ以上にアメリカの住環境とか野球をやる環境とかがすばらしいので苦しさも忘れられる感動がありますよ。この時期に、むこうで4年間過ごすという事はお金に返られないものがあります。
ただ練習時間が2〜3時間と言っても、アメリカの大学の野球部は日本と違い、1500から2000あるので、よほどの伝統校でない限り、練習できないというのは無い。どこいっても(部員で)マンパンになることは無いですね。またアメリカの施設は凄い。そこで個人練習で技術の修得に勤めるのです。そしてアメリカには日本の様なプロアマの規定が全く無いので大学によっては元プロの指導を受けられるのも魅力です。
ス そういえば、レッドソックスの松坂のオープン戦初戦も大学生とやってましたね。
安 ええ。また指導方針も日本でもまだ見られる様な怒る指導ではない。楽しくやろうよ!!なんで悩んでいるんだ?忘れよう!という指導スタンスなので、日本と全く違う指導も経験としてあなたの引き出しの一つになると思いますよ。
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ス やはり日本でやる野球と全然違うのですか??
安 違いますね〜。やはりどの人でも自身の経験が物を言っているじゃないですか。向こうの4年間の経験は絶対、活かせると思うし、幅も広がる。引き出しが増える。私は留学生に対して、最終的には日本に帰ってきて、経験を生かして、いろんな分野で(もちろんビジネスでも)日本の中を活気づかせてほしいと思っています。
ス シーズンは何試合くらい?
安 れぞれの地域でリーグ戦を戦ってその後、全米大会があるので上まで勝ち進めば、20試合〜30試合以上。50州あってそこから全国大会に行く。(甲子園と一緒です。)ただ全国大会もいろいろな所でやるので一箇所ではない。
ス 確かに国内に時差があるくらい広いアメリカで、全国大会を一つのところでやる事自体難しいですね。
安 そうですね。ただそういう日本では味わえない環境で是非やってもらいたいです。我々の時代はそんなの無かったですから。また全米大会の間にリーグ戦があったり小さい大会があったりします。
ス アメリカの大学球児って??
安 彼らは凄く自分の人生について、どう生きるかについて考えていますよ。自分は将来どうしたいんだ?メジャーを目指すのか。なれないのならスポーツの仕事で食べていくのか。違うビジネスをやるのかなど。彼らは、幅広い年代の人が学びに来る大学で、(18〜22才の人だけでなくアメリカの大学は様々な年代の人が日本と比べ多く学んでいます。)いろんな意見を聞き、自分で考えています。野球留学をとうして、アメリカの大学で学び、自分で考え決断する、そういう力を身に着けてほしいと思ってます。もちろん野球留学なのでメジャーが最終目標ですけどね。
ス トライアウトを逃してしまったら、野球留学するチャンスは来年まで待たなくてはいけないのですか?
安 今回はトライアウトという形をとりますが、終われば個別の審査を受け付けます。だからいつでもチャンスはあるのです。いつでも連絡してくれれば、対応しますし、また高校生だけでなく24歳までOKです。今、大学生の方でも編入が可能。単位を持っていけるのでどんどんチャレンジしてください。
最後に高校生に向けてメッセージお願いします。
安 まずは甲子園を目指して悔いのないよう頑張ってください。そこで監督さんとかに言われた事だけをするのでなく自分で考えてプレイしてほしいです。また逆に野球は甲子園だけではないよ。とも言いたいです。高校で野球を辞める人もいますが、もっと上を目指してもらいたいです。まだまだ俺は上でやるんだ!その為の通過点、そういう選手になってもらいたいです。高校だけで自分の可能性をあきらめないで下さい。そしてその為にはまず自分で考えること。自分の将来をしっかり考える事が必要だと思います。
最後に野球留学の一番の目標はメジャーリーグに行く事です。
ただそこに至らなかったとしても、大学4年間むこうで過ごすというのは凄い経験になりますし、かけがえの無いものになると思いますよ。