お鍋はバランス栄養食!
お鍋はバランス栄養食!
鍋料理は栄養バランスに優れ、さらにチームの結束力を高める効果も期待できる。
「バランスのよい食事」が体づくりには欠かせないとはわかっていても、いざバランスのよい食事をとろうと思うと自分で献立を考えたり、料理を選択したりするのは意外とむずかしいものです。高校生の皆さんは自宅や寮などで食事をとることが多いので、実際に自炊する機会は少ないかもしれませんが、つい面倒で麺類や丼もの、コンビニ弁当などに頼ってしまうこともあると思います。
これからの時期はお鍋のおいしい季節ですが、実は鍋料理というのは「バランスのよい食事」としてかなり重宝できる優れたメニューです。作り手としてはとにかく材料を用意しておけばいいので調理に手間かからず簡単に準備できますし、食べる側としては「主菜」「副菜」「汁物」が一つの鍋でまとめてとれるというメリットがあります。
野菜を生で食べようとするとかさが増えて一度にたくさん食べることはむずかしいのですが、お鍋に入れてしまうとかさが減るため、意外とたくさん食べることが出来ます。また野菜のみならず、肉類・魚介類・食物繊維の豊富なキノコ類・豆腐など好きな具材を入れることができますし、鍋の後に〆のご飯やうどん、ラーメンを準備しておくと、エネルギー源である炭水化物もしっかりとることができます。
さらにほとんど油を使わずに調理できるという点でも、余分な体脂肪をため込む心配も少ないため、アスリートの体づくりには適しているといえます。
最近では、水炊きのほかにもキムチ鍋、豆乳鍋、カレー鍋などさまざまなアレンジ鍋が登場しています。ビタミンB1を多く含む豚肉とニラをたっぷり入れたキムチ鍋は疲労回復に、豆乳ベースのだしに豆腐やお揚げ、鮭などを入れた豆乳鍋は植物性タンパク質と動物性タンパク質を同時にとることができる、まさに食べるプロテイン。カレー鍋はカレー粉に含まれる香辛料が食欲をそそり、食欲のないときにも食が進みやすく、ストレス解消にも役立ちます。
みんなでお鍋を囲みながら楽しく食事をすることは、チームの結束力やコミュニケーションを高めるためにも非常によい時間を過ごせると思います。これからの時期はぜひ鍋料理もメニューに加えてみてくださいね。
文:西村 典子
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