握力を鍛える方法をご紹介!
握力を鍛えるには
握力はあえて鍛えるというよりも、トレーニングをしている中で強化されていくもの
野球はバットやボールなどを握る動作が多くあります。握力はこうした動作の力強さをサポートするために重要な体力要素の一つ(筋力)であると考えられています。しかし投球においてはボールを力強く握ってしまうと力が入りすぎてしまい、コントロールが定まらなかったり、指先に引っかかってしまったりするケースがみられます。ボールを投げる時には強く握るというよりも、ボールに切れの良い回転を与えることの方をより重視してピッチングを行うことが求められます。
一方で握力は筋力だけではなく筋持久力としての働きもあります。力強く握ることは筋力要素ですが、同じ動作を何度も繰り返すときに握力が低下してしまうと、試合後半になって思うようなピッチングが出来なくなることがあります。この場合は前腕の筋持久力が低下したことにより、ボールがすっぽ抜けてしまったり、力強いボールが投げられなくなったりといったことにつながります。
トレーニング方法としてはダンベルやバーベルを使ったリストカール、リバースリストカールなどが一般的ですが、このほかにもひねり動作を加えたり、バットを少し短めにもって握りこぶしを作り、前後に動かすことでも鍛えることが出来ます。また懸垂動作では身体を保持するために何かにつかまってぶら下がりますが、この状態をキープするだけでも握力は鍛えられますし、お風呂の中で手を開いて閉じるグーパーの動きを繰り返すだけでも前腕筋に作用します。握力を強化したいと思って前腕筋群のトレーニングを続けると、肘の内側の筋肉も鍛えられることになるため、結果的には肘痛の予防にもつながります。
野球のプレーにおいてはリンゴをつかんでつぶすような握力が必要なのではなく、ボールに回転を与えるためであったり、同じ動作を繰り返して行えるだけの筋持久力が必要であるということ、またこうしたパフォーマンスを支えるためのトレーニングが結果的に握力強化につながったり、傷害予防につながっているということをぜひ覚えておいてくださいね。
文:西村 典子
球児必見の「セルフコンディショニングのススメ」も好評連載中!