抜群の安定感を誇る奥川恭伸。甲子園のスター投手のK/BBを算出してみても群を抜いていた!
吉田輝星、奥川恭伸、松井裕樹
近年、MLBやプロ野球でセイバーメトリクスの活用が話題となっている。セイバーメトリクスとは、成績のデータを統計的に分析し、選手個人の貢献度や評価を測る手法である。そこで、甲子園のスターたちの成績をセイバーメトリクスで使う指標で算出し比較してみたい。今回は投手の評価の指標「K/BB」を用いてみる。
K/BBとは、K(奪三振数)÷Base on Balls(与四球数)で算出された値のこと。一つの四死球に対しいくつの三振を奪うかを算出することができる。
いかに安全にアウトをとり、制球力があるかがわかる指標で、この値が高いほど、味方の守備などに依存せず、制球力もある投手であると捉えることができる。つまり、純粋な投手の能力を示す値だと言える。
ここで近年の夏の甲子園で奪三振が際立った選手たちのK/BBの値を算出してみた。
2012年 第94回大会 松井裕樹(桐光学園)
大会通算成績 4試合 36回 68奪三振 18被安打 12与四球
K/BB=5.67
2018年 第100回大会 吉田輝星(金足農)
大会通算成績 6試合 50回 62奪三振 21被安打 11与四球
K/BB=5.64
2019年 第101回大会 奥川恭伸(星稜)
大会通算成績 6試合 41回1/3 51奪三振 21被安打 5与四球
K/BB=10.20
2012年 第94回大会 藤浪晋太郎(大阪桐蔭)
大会通算成績 4試合 36回 49奪三振 11被安打 9与四球
K/BB=5.44
2013年 第95回大会 高橋光成(前橋育英)
大会通算成績 6試合 50回 46奪三振 34被安打 13与四球
K/BB=3.54
2016年 第98回大会 今井達也(作新学院)
大会通算成績 5試合 41回 44奪三振 29被安打 13与四球
K/BB=3.38
2010年 第92回大会 島袋洋奨(興南)
大会通算成績 5試合 42回 41奪三振 37被安打 10与四球
K/BB=4.10
奥川の数値は驚異の10.20。奪三振数もさることながら、与四球数が41.1回を投げて四球はわずか5つと非常に安定感のある投球を行っている。
過去のエースと比べても、突出した投手であることが分かる。
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