広島は遠藤、アドゥワ、山口ら高卒の投手たちがローテーション入りを争う
遠藤淳志
佐々岡真司新監督を迎えた広島は、ドラフト1位の森下暢仁が新人らしからぬ投球を見せ好投。開幕は延期となってしまったが、よほどのアクシデントがない限りローテーション入りは確実な状況だ。
エースの大瀬良大地、そしてクリス・ジョンソンとともに3本柱となりそうな雰囲気さえ漂っている。野村祐輔こそ離脱しているものの、先発投手3人がしっかりすれば大崩れは考えにくい。
残りの枠を次世代を担ってもらいたい若い投手たちの台頭で、埋めていきたいところだろう。しかし、チャンスを与えられていた高卒の若手投手たちに結果がついてこない。
佐々岡監督からもっとも期待されていたと言っても過言ではない遠藤淳志(霞ヶ浦高校)は、オープン戦初登板となった3月11日のDeNA戦で3回を投げ被安打7、与四球4の内容。60球を要し5失点と散々だった。
1イニングに3本の本塁打を浴びたのは言い逃れができない。ここで好投できれば、ぐっと先発ローテーション入りが近づくところだったが、抜け出すことはできなかった。
佐々岡監督も「最後まで競争してもらいたい」と発破をかけるようなコメントを残したが、ここで落第させることはなく、今一度の奮起を促している。
アドゥワ誠(松山聖陵高校)は2月24日の巨人戦で3回を投げ3失点。被安打6と打ち込まれての失点だった。その後、オープン戦での登板はなく、3月6日の二軍教育リーグで5回無失点と好投。開幕が延期したことで再びチャンスを与えられそうだ。
山口翔(熊本工)は春季キャンプ途中の練習試合で打ち込まれ、二軍に降格したためオープン戦での登板はない。二軍の教育リーグでも登板はなく、開幕時点での一軍入りは厳しい状況だ。しかし、佐々岡監督から期待されていたことはたしか。高卒3年目の飛躍に期待がかかる。
トミージョン手術からの復帰を目指す高橋昂也(花咲徳栄高校)はリハビリ中。今シーズン中の一軍復帰を目指している。
故障からの復帰を目指す高橋を含めた4人の先発候補が台頭すれば、将来も含めて投手陣は安定する。近年、広島の投手陣は大瀬良や野村に九里亜蓮といった大卒投手に外国人選手が中心だ。高卒の投手では前田健太が長年エースクラスの投球を見せていたが、それ以外にローテーションを守った投手は大竹寛(現巨人)くらい。
はたして今シーズンアドゥワや遠藤、山口といった高卒の投手たちは飛躍できるだろうか。与えられたチャンスをしっかりとものにしてほしい。
(記事=勝田 聡)
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