オコエ瑠偉の系譜を受け継ぐ、俊足強打のセンター・重政拓夢(関東一)を見逃すな!
重政拓夢(関東一)
本塁打も打つ俊足の中堅手
この夏、内野安打に二盗、三盗と甲子園を駆け抜けた関東一の中堅手、大久保翔太の俊足は、多くの高校野球ファンの度肝を抜いた。4年前はオコエ瑠偉(楽天)の並外れた身体能力は、衝撃的だった。関東一の背番号8は、高校球界に衝撃を与え続けている。
この秋、関東一の背番号8を受け継いだのが、夏の甲子園大会には背番号9で出場した重政拓夢である。
重政の名は、中学生時代から知れ渡っていた。[stadium]神宮球場[/stadium]でサク越えの本塁打を放つなど、長打力のある驚異の1番打者として、世田谷西シニアの日本選手権優勝に貢献した。
期待されて入学し、1年生の秋には背番号9でベンチ入りしたものの、出場機会は少なかった。
「高校はレベルが違いました。ピッチャーは、球速だけでなく、球のキレもありますから」と、重政は振り返る。
練習を通して、振りの強さ、鋭さが増し、高校生の球にも対応できるようになると、次第に出場機会が増えてきた。この夏の甲子園大会では1回戦はスタメンを外れたが、2回戦の熊本工戦は、7番・右翼手で出場。3打数2安打1打点の活躍で勝利に貢献し、3回戦では打順が2番に上がった。
甲子園の経験でたくましさを増した重政は、新チームでは3番・中堅手の重責を担うようになった。秋季都大会の出場をかけた、拓大一との1次予選の代表決定戦では、二塁打と本塁打を放ち、存在感を示した。
米澤貴光監督は、「いいものは持っている。でもまだまだです」と、ポテンシャルを評価していればこそ、厳しい言葉も忘れない。
50メートルは6.0秒。遠投は97メートル。関東一の中堅手だけあり、身体能力は高い。
高校に入って鍛えられたのは、「走塁で前を狙う、一歩の切り方」であり、「判断力」だと言う。
今は打線全体のバランスを考えて3番打者だが、できれば1番に据えたいと、米澤監督は考えている。
俊足に長打力もある重政が1番に定着すれば、また新たな脅威の1番打者になるに違いない。新チームになっても、関東一の背番号8から目が離せない。
(記事=大島 裕史)