中野 恭聖選手 (明徳義塾)
短評
観戦レポートより抜粋(2016年8月18日) エース・中野恭聖は135キロ前後の直球と決して速くない。鳴門は強打が自慢のチーム。その打力の高さに苦しむことが予想されたが、明徳義塾バッテリーは四国大会で対戦経験しているからか、鳴門打線の傾向をしっかりと掴んで配球をしていた。 ストレートは、両サイドだけではなく、低めや高めのつり球を使い分け、攻めが偏らないように工夫。そして変化球は100キロ台のカーブ、110キロ台のスライダーの割合を増やして、狙い球を絞らせない工夫を行った。 カーブ、スライダーの精度は抜群で、カーブはブレーキが利いていてタイミングが取りにくく、スライダーは、打者の手元で急激に落ちていく変化球で、鳴門打線は中野の変化球に対応ができておらず、これまで見えていた積極性が明徳義塾バッテリーの配球によって消えた。 そして鳴門は出塁すれば、足で崩そうとした。だが、捕手の古賀 優大が1回裏、8回裏に二度の盗塁阻止。この盗塁阻止が鳴門の流れを止めたといえる。 まさにのらりくらりと交わす投球。今大会、140キロ後半を計測する投手も多い。だが、それができるのは限られた投手だけだ。しかし中野が魅せた投球。そして古賀のリードは、多くの高校生投手にとって参考になるものだ。
更新日時:2016.08.18