【春季滋賀県大会】滋賀学園が近江を破って春の県大会初優勝!背番号11の高橋が「マダックス」達成
<春季近畿地区高等学校野球滋賀県大会:滋賀学園1-0滋賀学園>◇6日◇決勝◇マイネットスタジアム皇子山
4季連続で同じ顔合わせとなった滋賀学園と近江の決勝戦。昨年は春、夏、秋の全てで近江が勝利していたが、今回は滋賀学園が1対0でリベンジして、春の県大会初優勝を果たした。
この日は先発を任された背番号11の左腕・高橋 侠聖(3年)が5安打1四球で完封。球数96球でマダックス(球数が100球以内での完封)を達成し、3回表に一死一、三塁から併殺崩れの間に奪った1点を守り切った。
「近江は振ってくるので、ストライクを投げたら打ち損じてくれるかなと思って投げていました」と高橋はストライク先行でテンポの良い投球を披露。ストレートの球速は130キロ台前半ながらもスライダーやチェンジアップで緩急を駆使して、凡打の山を築く。
本来なら3回で交代する予定だったが、気がつけば最終回までマウンドにいた。9回裏も簡単に二死を奪うも簡単に終わらせてくれないのが近江。連打と四球で満塁と一打逆転のピンチを招く。
ここで伝令の選手から「打ち損じをもらうしかない。神頼みで最後は行け」という言葉をもらった高橋。最後は5番・高橋 直希(3年)を高めのストレートでセンターフライに打ち取り、辛くも逃げ切った。
「球速がない分、制球力で抑えたいと思っているので、今日はそれができたと思います」と自らの投球を振り返った高橋。今年から導入された低反発の新基準バットも今回の投球につながった。「練習試合で甘いところに入っても外野フライで終わっていたので、バッターに対する怖さが去年とは全然違います」と臆することなくストライクゾーンで勝負できるようになったという。
山口達也監督によると、これまでは勝気な故に勝負所で力が入ってしまうところもあったそうだが、「今日で何か掴んだんじゃないですかね」と今後の活躍に期待を寄せていた。
守りでも昨年から主力の多胡 大将(3年)と岩井 天史(3年)の二遊間を中心に堅い守りで無失策と高橋を盛り立てた。この日は1得点に終わったが、本来は打力もあるチーム。高い総合力を誇っており、25日から始まる近畿大会でも好勝負が期待できそうだ。
敗れた近江は先発した左腕の河越 大輝(3年)が好投するも打線が援護できなかった。それでも多賀章仁監督は「大会を通じていえば、良い春季大会になったと思います」と今大会を前向きに総括する。
準々決勝からは1年生の吉田 大翼と箕浦 太士がそれぞれ1番遊撃と4番左翼で先発出場。ともにこの日は無安打に終わったが、「1年生らしからぬ雰囲気でやっている」と多賀監督は精神面の強さを高く評価しており、夏もレギュラーで起用されるかもしれない。
新戦力の台頭もあり、2022年秋以来となる県大会での敗戦にも悲壮感はあまり感じられなかった。6大会連続となる夏の甲子園出場に向けて、これから戦力を整えていくことだろう。