エース鈴木が投打でベスト8にけん引

本塁打を放ちホームを踏む鈴木琢磨(山形城北)

 村山地区予選を1位通過し、県大会に出場している山形城北。1年生エース・鈴木 琢磨を中心に酒田南を撃破した。

 先発・鈴木は1回表、酒田南の1番・塚野 雄大に初球をファウルされた後、4連続ボールで四球を与え、犠打とワイルドピッチで三進を許した。2死3塁とされ、4番・石垣 雅海にライトへタイムリーを浴びて先制点を献上した。

 2回以降は立ち直り、凡打の山を築いていく。打者の手元でピュッと伸びる130キロ前後のストレートとスライダーを上手く使って、酒田南にチャンスらしいチャンスを与えなかった。
しかし、味方打線も酒田南・積田侑季の前に凡打の山。テンポ良く試合は進み、時間だけが速く過ぎていった。

 このまま“スミ1”で酒田南が逃げ切るのか、それとも―—。そんな矢先の7回だった。
1死の後、エラーとヒットで山形城北に得点チャンスが生まれた。7番・高橋洸樹は左飛打ち取られたが、2死1、2塁で打席には8番の鈴木。高めの直球を振り抜くと、打球はライトスタンドに一直線で突き刺さった。
「打った瞬間、感触がありました」と言う値千金の逆転3ランは、高校初ホームラン。試合を決める一発になった。