加藤 雅樹選手 (早稲田実業)
短評
観戦レポートより抜粋(2014年10月19日) この試合は4番の加藤の活躍に尽きる。1年生の時に比べてさらに成長を見せている。 まず体付きだ。183センチ81キロ。昨年の登録より2キロ増えているが、腰回り、太ももがだいぶがっしりしてきた。1年間の成長の跡を感じさせる。 また打撃フォームも変えた。具体的に言うと、以前より縦のスイング軌道になったのだ。なぜこのスイング軌道になったかを聞くと、 「どうすればレベルの高い投手に振り負けないかを追求した結果、今のようなスイング軌道になりました」 アッパースイングとイメージしがちだが、加藤の場合、トップを取ってからインパクトに入るまでのヘッドが下がらずにスイング軌道することができている。そのため高めでもしっかりとさばくことができているのだ。加藤が目指す長距離打者へ、変化を遂げようと工夫している様子が感じられた。 本塁打にした高めに入る変化球は、普段の練習試合から本塁打にしているという。甘い球を見逃さず打ち返す。まさにスラッガーに相応しい能力を加藤は秘めている。今日の本塁打で高校通算33本塁打。加藤は来年夏まで、どこまで本塁打を量産をしていくのだろうか。 加藤は1年では外野だったが、適任な捕手がいないということで捕手へコンバートした。安定したキャッチング、ワンバウンド処理能力、1.90秒~2.00秒前後を計測するスローイング、捕手としての能力も高い。 加藤自身は「難しいポジションでありますが、とても楽しいポジションです」と捕手のポジションをしっかりと楽しんでいるようだ。 そして人間性も大きく変化した。 1年生の時は特に感情を出すこともなく、スマートにプレーする選手だったが、今では先制打を放った時に大きくガッツポーズを見せるなど、感情を表に出すようになった。 和泉監督は「1年の時は気持ちが前に出ない弱さがあり、本人もそれを自覚しているようでした。だから自分なりに試合の時はスイッチを入れて、鼓舞をしているのでしょう」 元からポテンシャルの高さがのある選手だが、気持ちを前に出すことができるようになったことで、勝負所でも結果を残すことができるようになったと考えられる。自分の取り組みについても理路整然と説明が出来るところも強みで、精神的に成熟している。 今年の早稲田実業は「加藤を中心としたチーム作りをしてきた」と和泉監督が説明するように、まさに加藤が打って、チームは勢い付き、勝利をモノにしたゲームだった。 強いチームには必ず良い捕手がいるものだが、加藤は打撃、守備、メンタリティの三拍子が優れた捕手。2年ぶりのセンバツ出場の鍵を握る存在であることは間違いない。
更新日時:2014.11.03
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