智辯和歌山が意地の逆転勝利



6回裏に同点の2点適時打を放つ德丸天晴(智辯和歌山)

 智辯和歌山が苦しみながらも4強入りを決めた。

 智辯和歌山の先発は背番号17の武元 一輝(2年)。最速144キロのストレートを軸に相手打者を圧倒。3回まで田辺工打線を無安打に抑える。

 しかし、4回表に初安打を許すと、そこから3連打を浴びて無死満塁のピンチを招く。田辺工はこのチャンスで5番・山本 悠翔(2年)が右前適時打を放ち、1点を先制すると、6番・小出 隼海(3年)、7番・橘斉(2年)にも適時打が飛び出し、リードを3点に広げる。武元にとってはいきなり6連打を浴びるまさかの結果となった。

 早く反撃したい智辯和歌山打線だが、田辺工のエース・小出の前に5回まで無安打に抑え込まれてしまう。小出のストレートは120キロ台中盤だが、カットボールや100キロ前後のカーブで相手打者の芯を外し、面白いようにアウトを重ねていった。

 智辯和歌山打線が目覚めたのは6回裏、四球から二死一、二塁から代打・石平創士(3年)のチーム初安打となる中前適時打で1点を返すと、なおも二、三塁とチャンスは続く。この場面で高校通算42本塁打の4番・徳丸 天晴(3年)が左前2点適時打を放ち、ついに同点に追いついた。

 追いついた直後の7回からはエースの中西 聖輝(3年)が登板。「苦しい展開で点をやらず、攻撃に繋げてくれた」(中谷仁監督)と最速143キロのストレートとスライダーを上手く織り交ぜ、1本の安打を許さない見事なピッチング。流れを智辯和歌山にハッキリと手繰り寄せた。

 智辯和歌山は8回裏に一死満塁のチャンスを作ると、5番・岡西 佑弥(2年)の右犠飛で勝ち越しに成功。その後も7番・髙嶋 奨哉(3年)の2点適時打などで追加点を挙げ、一気に5点のリードを奪った。

 中西は2回3分の2を投げて、5奪三振の好投。最後は黒木隆成(3年)が締め、智辯和歌山が辛くも勝利した。

 思うような試合展開ではなかったが、苦しい試合を勝ち切った智辯和歌山。1年生では青山 達史が6番レフトでスタメン、小畑虎之介がショートで途中出場と2人が出場するなど、新戦力の台頭も見られた。「チーム内で良い競争ができている」(中谷監督)と学年関係なくポジションを争っており、分厚い選手層を形成しているように感じられる。次戦以降はどんなメンバーで戦うかにも注目したい。

 最後は力尽きたが、田辺工の健闘も見事だった。突出した選手はいないが、丁寧に一つ一つのアウトを積み重ねることができていた。この経験を夏に繋げてくれることを期待したい。

(取材=馬場 遼)

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