金本 貫汰選手

金本 貫汰

球歴:

ポジション:投手

身長:180.0 cm

体重:82.0 kg

学年:卒業

寸評

 2010年度のドラフト戦線において、高校生が不作だと言われる理由は、けして人材が乏しかったわけではない。加藤智弘中京高)やこの多司将仁などの好素材が、相次いで故障したことが大きかったと言わざるえない。この男が順調に夏を迎えていれば、間違いなく上位指名で消えていたはずだった。  PL学園の先輩である前田健太(広島)や朝井秀樹(巨人)の高校時代と比べても、素材的にはヒケを取らなかった多司 将仁。彼の高校時代最後の試合(2010年07月25日)を、実際に見てきた。最後の多司はどうだったのか、振り返ってみたい。 (投球内容)  9回表、大接戦のすえPL学園は、履正社に対し一点勝ち越して、多司に最後のイニングを託した。如何にも本格派と言うフォームから、ピッチング練習では勢いのある球を放る。 ストレート 135~MAX88マイル(140.8キロ)  しかし実戦では、大阪予選でなかなか登場しないだけの理由はあって、昨夏の甲子園で魅せたボールとは、目に見えて劣っていた。昨夏甲子園では、常時140キロ台を記録し~MAX148キロの伸びのあるボールを披露し我々を驚かせた。しかしこの日は、130キロ台中盤~頑張って140キロが出るかでない。それ以上にボールの手元までの伸び・勢いは明らかに劣っていた。そればかりか制球もバラツキ、同点に追いつかれたばかりか、延長戦でPL学園敗退の要因を作ることになる。 変化球  元々PL伝統のブレーキの効いたカーブも持っていたはずだが、この日はリリーフで余裕がなかったのか、変化球はスライダーのみ。またこのスライダーが、キレ・コントロール共に甘く、痛打される場面が目立った。 その他  クィックは、1.05秒強ぐらいと早いし、フィールディングなども鍛えられている。ただ元々前田や朝井のような、試合をまとめる先発タイプと言うよりは、球の勢いで抑え込むタイプであり、球が走らないと苦しいのは確か。 (投球のまとめ)  昨夏の甲子園でも、球は速かったものの高めに集まる傾向が強かった。今回も、球が速球もスライダーも浮き気味で、その欠点は解消されていない。また秋季大会では、縦の変化なども覚え投球の幅が広がったとも聞いていたが、故障の影響もあって、そういった球は確認できなかった投球練習でも、ストレート中心で1球だけスライダーを投げたのみとなっている。 (投球フォーム)  昨夏に比べると、課題であった「開き」は改善されているように思える。ただ元々、それほど打者が苦になるようなイヤらしさがあるフォームではない。その点は、球が走らないと打ち込まれることからも明らかだった。ただ彼の良さである「体重移動」は健在で、フォームを崩したと言うよりは、やはり明らかに故障の影響が大きかったのだろう。  球が高めに浮く要因は、テイクバックした時に、背中を後ろに預け過ぎて、前の肩が上がり後ろの肩が下がった形でボールを投げようとしているからだろう。  恐らく故障の大きな要因は、必要以上にボールに角度をつけようとして、腕を高い位置から無理にボールを投げ降ろそうしているからではないのだろうか。  これらの欠点を改善して行かないと、球が高めに浮く傾向も変わらないだろうし、今後も故障に脅かされながら、現役を続けて行くことになりそうだ。
更新日時:2010.10.05

将来の可能性

 高校時代の素材としては、上記に述べたように、前田や朝井といった先輩達に勝るとも劣らぬ才能の持ち主だと言えよう。しかしながらこの夏の内容を見る限り、まずは大学なり社会人での立て直しが必要であり、ドラフト戦線からは大きく後退したと考えて良さそうだ。  別の見方をすれば、これだけの素材がアマに残ったならば、3,4年後の上位候補に成り得る素材。確かな実戦力を身につけ、来るべき次のドラフトを待ちたい。しかしながら、つくづく彼の故障は、残念でならない。
更新日時:2010.10.05

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