DeNA中川虎大は今季NPB唯一の箕島高校OB
オールスターゲームが終了した翌日の7月14日、DeNAが育成の中川虎大(なかがわ・こお)と支配下契約すると発表した。中川は2017年育成ドラフト1位でDeNAに入団した右腕である。今シーズンは二軍で13試合に登板、8勝3敗、防御率2.00と結果を残していた。
また、72回を投げ74奪三振と奪三振率(1試合あたりいくつの三振を奪うことができるかを表す指標)は9を超えている。ちなみにイースタン・リーグの規定投球回に到達している選手で奪三振率が9を超えているのは中川だけ。二軍とはいえ、三振を奪う能力が高いのは心強い。一方で与四球の数は41個と制球面で不安があるのは否めない。
現在、一軍は2位争いを繰り広げていることもあり、すぐに昇格するわけではないだろう。しかし、シーズン終盤に登板の機会が訪れることは十分にありえる。そこで結果を残すことができれば、来シーズンは先発ローテーション争いに加わることになるはずだ。
過去には東尾修、吉井理人らを輩出
箕島高校時代の中川虎大
そんな中川は和歌山県の箕島高校出身である。1979年の全国高校野球選手権大会(以下、夏の甲子園)において、石川県の星稜高校と延長18回の死闘を演じたことでも有名な箕島高だ。
ドラフト制以後、同校からプロ入りを果たした選手は多くいる。なかでも代表的な存在は通算251勝をマークした東尾修(元・西武)だろう。その後も日米で活躍した吉井理人(現・ロッテ投手コーチ)や嶋田章弘、嶋田宗彦(ともに元・阪神)兄弟らを輩出してきた。
しかし近年では目立った成績を残した選手はおらず、2014年に庄司龍二(元・オリックス)が引退してからはOBが不在となっていた。中川は5年ぶりの箕島高OBなのである。
箕島高も2013年夏の甲子園以来、全国大会への出場がなく元気がない。中川が一軍で活躍することで元気を与えたい。そんな中川の動向に注目が集まる。
<今シーズン成績>
中川虎大(DeNA)
(二軍)13試合/8勝3敗/72回/奪三振74/与四球41/防御率2.00
※数字は2019年7月19日終了時点
(記事・勝田 聡)
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