試合レポート

愛知啓成vs大府

2012.04.23

愛知啓成vs大府 | 高校野球ドットコム 

西川 拓馬(大府)

県ナンバーワン右腕候補 大府・西川8回2失点 

愛知県春季高校野球大会は21日、県内5球場で1・2回戦12試合を行い、[stadium]小牧市民球場[/stadium]では大府の好投手・西川拓馬が登板した。

今年の愛知県ナンバーワン左腕投手は濱田達郎愛工大名電)で固いが、右腕部門でトップ候補に挙がるのが金城グスターボ豊川)と大府・西川だ。西川は昨夏の旧チームでも背番号11をつけベンチ入り。140キロ前後の速球を184センチの上背から投げ込むと評判の投手だ。

県大会では初戦に次ぐ登板となったこの日、「本格派」としての高い素質があらためて垣間見えた。腕をしなやかに振れ、リリースを打者寄りまで引っ張ってくることができる。体が柔らかく、テークバックからフィニッシュへ至るまでの中で右半身が深く入り込むような感じだ。オーバーハンドから打者の手元で生きる球筋。昨年もこの時期に見ているが、単に「しなやか」の印象だけだった2年時に比べ、力強さが増していた。

はっきりボールと分かる球もあり与四死球は多かったが、ところどころでの力強い真っすぐが目を引いた。3回裏一死満塁のピンチでは、その真っすぐで2者連続奪三振。最初のバッターは手が出ずの見逃し三振、続く打者はフルカウントから高目ボール球を振らされた。ピンチでも腕を振っての真っすぐ勝負は見ごたえあり。8回裏に四死球や自らのエラーで2点を失ったが、将来性も感じさせる。

エース西川や控え投手・新美らが仕上がり、打線が活気付けば、大府は昨夏のベスト8よりも上位を狙えそうだ。この試合では攻撃が沈黙したが、5番小代田は2回表にスリーベースを放ちイキの良さを見せた。軽やかに振り抜いた打球は右中間を破り、二塁ベース手前から三塁ベースにかけてグイッと加速。また3番の捕手柴田は長身でスローイングが柔らかく、攻守の要として成長を期待できる。

試合は愛知啓成が逆転勝ち。7回表に大府・板村のホームランで先制されたが、8回裏に敵失と犠飛で引っくり返した。先発した庄村や、背番号1のサイドハンド・野松らが打たせて取る投球で相手打線を1点にとどめる好投。1番浅井と3番深谷のがっちりとした体躯は迫力に満ち、貫禄十分だ。

(文=尾関雄一朗)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.04.15

【春季和歌山大会】日高が桐蔭に7回コールド勝ち!敗れた桐蔭にも期待の2年生右腕が現る

2024.04.16

【春季埼玉県大会】2回に一挙8得点!川口が浦和麗明をコールドで退けて県大会へ!

2024.04.16

【群馬】前橋が0封勝利、東農大二はコールド発進<春季大会>

2024.04.16

社会人野球に復帰した元巨人ドライチ・桜井俊貴「もう一度東京ドームのマウンドに立ちたい」

2024.04.15

【春季東京都大会】日大豊山、注目の好投手を攻略し、コールド勝ち!指揮官「うちが東京を勝ち上がるには機動力しかない」

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.12

東大野球部の新入生に甲子園ベスト4左腕! 早実出身内野手は司法試験予備試験合格の秀才!

2024.04.10

【沖縄】エナジックが初優勝<春季大会の結果>

2024.04.12

【九州】エナジックは明豊と、春日は佐賀北と対戦<春季地区大会組み合わせ>

2024.04.11

【埼玉】所沢、熊谷商、草加西などが初戦を突破<春季県大会地区予選>

2024.04.09

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.03.17

【東京】帝京はコールド発進 東亜学園も44得点の快勝<春季都大会1次予選>

2024.04.05

早稲田大にU-18日本代表3名が加入! 仙台育英、日大三、山梨学院、早大学院の主力や元プロの子息も!

2024.04.14

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.04.02

【東京】日大三、堀越がコールド発進、駒大高はサヨナラ勝ち<春季都大会>