池本 慎太郎選手 (八頭)
寸評
上背はそんなにないのですが、手足の長い体型を活かしたサイドハンド。球速は、125キロ～130キロ程度でしょうが、コースを突く抜群の制球力が自慢です。 （第一印象） 驚くような球威やキレはないのですが、右打者の内角を突く球が、ナチュラルなのか意識的なのかわかりませんが沈みながら食い込んできます。この独特のツーシーム的なシュートボールが、サイドハンドの割りに、スライダーを使わないピッチングスタイルでも、幅の広い投球を実現しています。 （長所） グラブを最後まで内に抱え、膝小僧が地面に着くほどに重心を深く沈め、「球持ち」もよく指先の感覚にも優れます。そのため両サイド中心に、高い精度の制球力を実現しています。 （課題） 「着地」までの粘りは悪くないのですが、カカトから地面を捉えてしまうので、自然と体の「開き」が早くなってしまいます。右打者に対してはボールを隠せても、左打者に対しては、どうしても合わされやすいフォームです。 上半身などの筋力が足りないのか？「球持ち」の割りに、投げ終わった後に腕が絡みません。そのため腕が鋭く振れず、ボールにもキレが生まれません。更に重心が深く沈み過ぎていて、「体重移動」も上手くできていません。これにより、ボールに上手く体重が乗せられず、ボールの勢いや球威を生み出せなくなっています。
更新日時：2012.04.12
将来の可能性
抜群の制球力はあるのですが、ボールのキレ・球速・球威共にモノ足りません。更に変化球も、現状はカーブと内角に食い込むクセ球ぐらいであり、単調なのが気になります。右サイドハンドであるならば、スライダーやシンカーなどの球種も身につけ、ピッチングの幅を広げて欲しいところ。 一見、完成度の高い投手に見えますが、実は課題を多く残します。2012年度の鳥取を代表する好投手の一人ですが、まだまだピッチングの内容を変えて行ける余地が残されています。ぜひ最後の夏には、隙なしの投球を甲子園で披露して欲しいと期待します。
更新日時：2012.04.12