都立片倉・金井貴之投手

秘密兵器が上々のデビュー

 昨秋2回戦の再戦となった都立の実力校同士の戦い。昨秋は同じ江戸川区球場で、都立文京5対0で勝利を収めている。
 ネット裏には4~5球団のスカウトが顔をそろえていた。お目当ては、都立片倉のエース金井 貴之だ。「最速145キロ」とのウワサの本格派右腕。ウワサと書いたのは、この春が公式戦デビューだったからだ。
 1年秋までは神奈川県の私立高校でプレーしていたが、事情があって退部。2年春から、都立片倉に転校した。1年間は公式戦に出られない規定があるため、昨秋の都立文京戦はスタンドから声援を送っていた。
 初回、金井はストレートで勝負を挑んだ。投じた11球はすべてストレート。スカウト陣のスピードガンでは最速142キロを記録。ヒット1本打たれたが、2つの空振り三振を奪い、笑顔でベンチに戻ってきた。 都立文京のエース古枝真之介も負けてはいない。こちらは縦の緩いカーブ、スライダー、落ちる変化球を駆使する対照的なピッチングで三者凡退。 初回を見る限り、ロースコアの接戦が予想された。
 

 金井は余裕がでてきた3回からカーブ、スライダーを使い始めた。2回までストレートで4三振を奪ったが、3回から6回までの三振は一つ。打たせて取るピッチングにチェンジした。
 都立文京の古枝は、5回まで4安打を浴びるも、要所を締めて無失点。5回裏には1死満塁のピンチを招くが、9番・峯尾竜二をカウント3ボール1ストライクから得意のカーブで打ち取り、二死満塁。1番・鳥巣裕太もサードフライに仕留め、この試合初めてのピンチを脱した。