試合レポート

八王子vs二松学舎大附

2023.04.10

二松学舎大附、夏はノーシードに 投打が噛み合った八王子の前に敗戦

八王子vs二松学舎大附 | 高校野球ドットコム
重川 創思(二松学舎大附)

〈春季東京都大会:八王子5ー3二松学舎大附(延長10回タイブレーク)〉♢3回戦♢9日♢駒沢

 タイブレークの末に、八王子が昨年夏の東東京の王者・二松学舎大附を5対3で破り勝利を収めた。

 二松学舎大附の先発は大内 啓輔投手(2年)。1回、1番・中川 龍斗内野手(3年)が先頭打者本塁打を放って先制に成功した。

 八王子は2回2死二塁で7番・引田 武蔵外野手(3年)が中前安打するも二松学舎大附の中堅手、住吉 健太郎外野手(2年)が矢のような返球で本塁タッチアウト。ビックプレーが生まれた。

 二松学舎大附は4回、4番・片井 海斗内野手(2年)が中越え本塁打を放って追加点。6回には2死二、三塁で5番の五十嵐 将斗外野手(2年)の適時打でさらに1点を返し3対0とする。

 7回無死一塁、先発の大内に代わってエースの重川 創思投手(3年)がマウンドに上がる。ヒット、四球などでいきなりピンチを作るも最後は勢いのある真っ直ぐで差し込み、三飛でこの回のピンチを切り抜けた。

 しかし八王子は8回、4番・比留間 智大外野手(3年)の適時三塁打、6番・山田 昊志郎内野手(3年)の隙をついたセーフティーバントで2点を返す。続く打者に代打、川添 皓生内野手(3年)が適時二塁打を放ち同点とし、一気に試合を振り出しに戻す。9回はお互いに得点できなかったため、延長10回から無死一、二塁からの攻撃となるタイブレークに突入した。

 八王子は10回、5番・豊田 俊冶内野手(2年)が左前安打を放ち満塁に。6番・山田の打席に捕逸で1点、その後、犠牲フライでさらに追加点。この回2点を奪った。

 その裏、二松学舎大附は1番からという好打順も、三者凡退となり八王子が5対3で勝利を収めた。

 八王子の先発・エースの鈴木 裕晴投手(3年)は直球と変化球でコーナーを突き打たせて取る投球も、1回と4回にホームランを浴び、6回も1点を取られ6回3失点で降板した。7回は2番手志民 虎太郎投手(2年)が2死三塁とピンチを作るも無失点で抑えた。8回は代打で途中出場の川添がマウンドに上がる。立ち上がりは2死から四球を出すも、10回まで投げ切り、結局その四球のランナーしか許さず二松学舎大附の打者を封じ込めた。

 八王子は中盤までチャンスを作るも、あと一本が出ない苦しい展開で試合が運んだが、終盤からは「自分たちの積極的な打撃ができ良い形で点を取ることができた。後続の投手も良く踏ん張ってくれてチームに波を持ってきてくれた」と八王子の安藤監督は話した。

 8回表に同点打を放ち、投げては8回裏からタイブレークの10回まで3イニングを0点に抑え投打で活躍した川添は「打席に入る前監督に初球から振っていけと指示が出ていて、結果は気にせず強く振ろうという意識で打席に立った。結果的にいいところに飛び、最高の結果が残せた。
投球に関しては負けてもいいから楽しんでいこうという気持ちで投げた。監督からも点数が開いてもいいと言われ気持ちが吹っ切れて、落ち着いて投げられた」と語った。

 後半は投打のかみ合った試合となり、監督と選手の信頼関係の深さがうかがえた。次の戦いはどのような試合展開を送るか楽しみだ。

(取材=鎌田 光津希)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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