ビッグイニングを3試合続けた山梨学院。指揮官も選手たちの精神面の成長を称える



優勝の瞬間 ※写真:東京スポーツ/アフロ

<センバツ高校野球:山梨学院7-3報徳学園>◇1日◇決勝

 山梨学院の甲子園優勝の要因といえば、準々決勝以降からビッグイニングを作っている点だろう。

準々決勝 作新学院戦 3回裏 7得点
準決勝  広陵戦 9回表 5得点
決勝   報徳学園戦 5回裏 7得点

 エース林 謙吾投手(3年)の安定感抜群の投球は、この打線の援護も一因となったに違いない。主将の進藤 天内野手(3年)は「昨秋から僕たちの特徴として、誰かが打てば、勢いに乗って、気づいたら大量得点ができるチームでしたので、決勝戦でそれができたと思います」

 吉田監督も「この決勝でも優勝というのを意識しすぎず、自分たちの力を最大限に発揮できた試合だったと思います」と振り返る。

 大量点はただ打撃だけではなく、無駄のない走塁もみられた。進藤は「1、2回戦で出てしまった走塁をしっかりと見直すことができた」と振り返るように、判断力を磨いたことで、思い切りの良い走塁ができた。

 エースの林は「先制されても、最少失点に抑えようと思いましたし、打線がカバーしてくれると思った」と信頼を寄せていた。そして力を発揮することができた。

 吉田監督は選手たちの私生活の姿勢に目を細めた。
 「関西に入って、普段の試合がない日でも生活態度も非常に浮かれることなく、コンディション調整をやっていました。これは指導者の目から離れても、それができていました」

 浮つくことなく、野球のために落ち着いて行動する。そういった一面も力を発揮できた要因だろう。

 夏はマークされる立場となるが、山梨学院は「挑戦者」という立場を貫いてきた。まだ全国にはセンバツに出場していなくても、実力あるチームが多い。そういった相手にも勝てるチームになっているか注目だ。

(記事=河嶋 宗一