スイングスピード144キロの2年生スラッガーに一発 恩師のラストゲームを白星で飾り、都大会出場となるか

ホームランを放った専修大附・齋藤
<春季東京都大会1次予選:専修大附19ー0都立練馬工・都立松原(5回コールド)>◇12日◇1回戦◇佼成学園グラウンド
専修大附が都立練馬工・都立松原の連合チームを下して、代表決定戦に勝ち進んだ。
初回から押し出しに相手バッテリーのミスで2点を奪うと、2回には打者2巡で14得点の猛攻で試合を決めた。終わってみれば13安打、19得点という結果で快勝だった専修大附。岩渕監督は「この冬は走ること、振り込むことがきちんとできた」と夏のために準備してきたことが、実を結んだようだ。
専用グランドがないため、冬場は校庭などを使ってティー打撃やトレーニングに時間を割いてきたことで、2年生中心ながら、強力打線が作られた。特に3番・齋藤 大輔外野手(2年)はホームランを放つなどの活躍でチームの勝利に貢献した。
テークバックをしっかり引いて、きちっとトップを作ったところから、鋭くバットを振り抜く。リストの強さもあってか、捉えた打球は鋭く、2年生ながら中軸を任されるのもうなずける。
小平ポニー時代から主力だったが打撃、特にミートには自信がなかった。そのとき、「プラスチックバットみたいに、軽く扱うようにできれば、打てるはずだ」と思った齋藤は、1.2キロのマスコットバットを買ってもらい、打力強化に努めた。
現在も調子が落ちてきたときにマスコットバットを使うが、加えて岩渕監督とともにトレーニングを重点的に取り組むことで筋力強化ができ、入学時から4キロの増量に成功。結果、スイングスピードは144キロ、高校通算5本塁打に届いた。
「左中間にライナー打つ」ことを目指し、とにかく強く振って、球に対して強烈なミートをすることだけを意識したことでホームランにつながった。
特別な思いもあった。3月で岩渕監督の退任が決定。この予選を最後にチームを離れる。兄も専修大附だったこともあり監督との関係が長い齋藤は、「監督の期待に応えたい」という思いが力を与えているという。
「大会前になると、野球に集中できるようにやっている」と齋藤。代表決定戦でも活躍し、監督の最後を有終の美で飾れるか。
(取材=編集部)