都立小山台が攻守で圧倒!強力な2枚看板に注目

熊谷朋紀、武藤健真
<春季東京都1次予選:都立小山台20-1都立淵江(5回コールド)>◇12日◇1回戦◇桐朋グラウンド
都立でもトップクラスの強豪・都立小山台が初戦を迎え、都立淵江に圧倒した。
1回裏、4番村山 駿介内野手(3年)の適時打で1点を先制。2回裏には、敵失やエース武藤 健真投手(3年)の適時打から追加点を入れ、そこから打線がつながり、一気に6得点を入れ、7対0と大量リード。3回裏には1死二塁から9番芳谷 健成外野手(3年)が右翼手の頭を越える適時二塁打で8点目。4回裏には無死満塁から5番岩永 悠太外野手(3年)、6番常磐 幸司捕手(3年)の連続適時打で10対0とすると、その後も猛攻が続き、10得点を入れ、20対0と大量リードを広げる。5回表に1点を返されたが、反撃はここまで。都立小山台が5回コールド発進した。
打者はどの選手もしっかりと振れていた。トップをとった時に立ち遅れないような構えができて、スイング自体も鋭く、インパクトまで無駄のない軌道で球を捉えることができている。
また、登板した2投手も好投手で、都立高としてはハイレベルだ。先発の武藤は長身でしなやかな腕の振りから繰り出す直球が常時120キロ後半〜134キロをマークする。スライダーの切れもよく、長身であるが技巧派的な投手だった。当面の課題は体重アップ。184センチ、64キロと細身で、体重は70キロ台にしたいと話す。この冬はトレーナーの指導を受けながら、フォームの再現性や球の強度を高めてきた。
2番手の熊谷 朋紀投手(3年)も恵まれた体格を持ち、直球の球威は武藤よりも上。左足をゆったりと上げ、スリークォーター気味に腕を振っていく右の本格派で、常時130キロ〜135キロの直球、縦横の変化球を投げ込む。この冬は課題となった制球力を高めるために、自身のフォームと、自身とタイプが似ている18年夏の東東京大会準優勝のエース・戸谷 直大投手のフォームの分解写真を使い分けながら、レベルアップしてきた。5回表に制球を乱して、途中降板となってしまったが、能力の高い投手の今後の成長が楽しみだ。
都立小山台は昨秋、1次予選で敗退。メンバーの多くを入れ替えたり、コンバートを行い、競争を促してきた。
その成果は確実に出ている。代表決定戦でも攻守で圧倒した野球ができるか注目だ。
(取材=河嶋 宗一)