帝京 初回の猛攻で5回コールド!6番・大石、7番・野村の2人で長打4本の破壊力



帝京・高橋蒼人

<秋季東京都高校野球大会:帝京10-0日体大荏原(5回コールド)>◇30日◇準々決勝◇スリーボンドスタジアム八王子

 この夏の東東京大会で準優勝、そして今大会は準々決勝進出。東京では屈指の古豪であり、かつては強豪であった日体大荏原は、名門復活に向けて歩みを続けているが、最後の1歩のところにある壁は厚かった。日体大荏原の本橋慶彦監督は、「落ち着いてゲームに臨ませてあげられませんでした」と語る。エースの石井 祥太投手(2年)を先発させたが、初回にいきなり帝京の猛攻に直面する。

 1回表、帝京は2四球と敵失で1死満塁のチャンスを迎える。ここで5番・高橋 蒼人投手(2年)の内野安打で2人が還る。さらに6番・大石 和輝外野手(2年)の三塁打で2点を追加。大石も7番・野村 亮太外野手(2年)の左前安打で還り、初回に重い5点が入る。

 帝京の高橋は、1回戦は本来の投球ができなかったが、徐々に調子を取り戻してきた。初回5点のリードを受け、危なげない投球をする。

 一方、帝京は、3回表にも6番・大石、7番・野村の連続二塁打で1点を追加。5回表には1死二、三塁から6番・大石を申告敬遠で満塁とし、7番・野村が走者一掃の三塁打を放ち3点を追加。野村も代打・杉山 勇心内野手(2年)の左前安打で還り、5回コールドの要件である10点差になった。

 帝京は大石、野村の下位打線の活躍が目立った。特に野村は5打点の活躍。走者一掃となった5回の三塁打について野村は、「絶対に打ってやると思って打席に立ちました。打ったのは真っ直ぐだったと思います」と語る。

 一方、敗れた日体大荏原は、10点を取られても石井を交代させなかった。それは「石井に頑張ってもらいたい」という本橋監督の期待からだ。「帝京戦に浮足立ってしまい、普段通りの野球ができませんでした」と本橋監督は語る。来年の春以降に向けて、メンタル面も含めての成長を期待したい。

 勝った帝京は準決勝で二松学舎大附と対戦する。帝京はこの夏の東東京大会の準決勝で敗れている。それでも金田優哉監督もエースの高橋も、「リベンジとかでなく、新しいチームとしてチーム全体の力で勝ちたい」と口を揃える。今度の週末は試合がないため約2週間空く。その間のチームの成長も含め、見どころの多い試合になりそうだ。

(記事=大島 裕史)

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