日大鶴ヶ丘が都大会出場へ 夏の悔しさ知る繋ぎの4番が2本のタイムリー



勝ち越し打にガッツポーズする日大鶴ケ丘4番・後藤健大

<秋季東京都高校野球大会1次予選:日大鶴ヶ丘5-4豊南>◇23日◇代表決定戦◇日大鶴ヶ丘グラウンド

 日大鶴ヶ丘は夏の西東京大会でベスト8まで勝ち上がるも、準々決勝で都立富士森に敗れ、悔しい結果となった。この秋も、豊南に苦しみながらも勝利を手にし、都大会への出場を決めた。

 8回が終わって4対4。初回に豊南が先制するなど、思わぬ試合運びになったものの、「試合前のアップなど、準備の段階から『接戦になるだろうな』と予感はしていました」と日大鶴ヶ丘・萩生田監督にとっては想定内の試合展開のなかで、試合を決めたのは4番・後藤健大内野手(2年)だ。

 9回、2死三塁から中前へ適時打。シャープに振り抜いた鋭い打球が二遊間を破った。1塁ベース上に到達した際には、自軍のベンチへ向けて右腕を高くつき上げて喜びを爆発させると、直後の守備も、ゲームセットとなる最後のアウトを自らのプレーでさばいた。言葉通り、試合を決めた選手である。

 試合後、都大会出場に大きく貢献した後藤は「(都大会出場に)ほっとしています」と安堵の様子。調子はイマイチだというが、この試合で2打点を記録するなど、4番にふさわしい活躍だった。

 今夏の都立富士森との一戦。後藤は5番でスタメン出場したが、結果を残すことができず、悔しさをかみしめた。新チーム当初は5番打者を任されていたが、8月中旬ごろから4番に抜擢された。中学時代、横浜青葉シニアでも5、6番を任されていた後藤にとっては大きな役割となったが、「後ろにはいい打者がいるから、自分で決めずにつなごう」とあくまでつなぎ役に徹した。

 打撃フォームにも、意識の表れが見える。懐を大きくして引き付けると、シャープなスイングで確実に捉える。長打ではなく、あくまで単打を打とうとしている様子は、萩生田監督も「遠くに飛ばそうとせずに、しぶとく打てるようになり、打率が残せるようになった」と成長を感じ取っていた。

 夏の大会、「フライアウトが多かった」ことを反省し、バットをどれだけ体の近くで通せるのかを課題にして練習に取り組んだ。エンゼルスの大谷 翔平投手(花巻東出身)やヤクルト・村上 宗隆内野手(九州学院出身)を参考にしてインサイドアウトを意識。「秋の大会で優勝するためにも、打てるようにしなければいけない」ということで始めた全員での素振りはもちろん、ときにはゆっくり振って、バットの出し方を体に覚えさせ、シャープで鋭い打球を飛ばそうとしてきた。

 そして豊南戦、夏からの成長を示す適時打2本を放ち、4番としての務めを全うし、都大会の切符をつかんだ。「捉えきれていない部分がある」と内容には課題を残したが、まだ公式戦は続く。萩生田監督も「勝てたからこそ、反省して出てきた課題を次の公式戦へ向けて克服できる。良い準備期間を過ごせる」と話した通り、さらにステップアップできるチャンスをつかんだ。苦しみながらつかんだ勝利を都大会で、どんな形で生かすのか。

(記事=編集部)