ノーシード都立富士森が日大鶴ヶ丘を下しベスト4進出!



両腕を突き上げる都立富士森・甲斐 凪砂

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<第104回全国高校野球選手権西東京大会:都立富士森5-4日大鶴ケ丘>◇27日◇準々決勝◇神宮

 春はブロック予選で姿を消し、夏の西東京大会はノーシード登場だった都立富士森が、チーム史上初となるベスト4進出。しかも準々決勝では強豪私学・日大鶴ヶ丘を延長10回の末、5対4で破る躍進ぶりに、選手たちはもちろん、球場に駆け付けた都立富士森の関係者からも歓喜の声が沸き上がった。

 その中心にして、勝利の瞬間に高々と両腕を突き上げた先発・甲斐凪砂投手(3年)の投球は、素晴らしいものがあった。

 オリックス山本由伸投手(都城高出身)を彷彿とさせるような、大きなモーションから右腕を鋭く振り抜く。直球の球速帯は120キロ後半。加えて110キロ台のスライダー、チェンジアップ、100キロ台のカーブ系の変化球を操る右スリークォーター投手。身長171センチ、体重61キロとスペックを並べてみても、決して突出したものがあるわけではない。

 だが「ストレートと同じ軌道から、減速するようにブレーキが掛かっている」と日大鶴ヶ丘・木嶋康太外野手(2年)、さらに「チェンジアップ系が良かった」と日大鶴ヶ丘・萩生田監督が話すチェンジアップが非常に効果を発揮した。

 チェンジアップの練習を始めたのは1年前の夏ごろ。3番手として登板する機会が増え始めた時期に、指揮官・廣瀬監督からの助言がきっかけだった。握り方も廣瀬監督直伝で、「(球を)挟んでみたらどうだ」という一言で、現在は完全にモノにしたという。

 春季大会までは3番手投手の立ち位置で、主には野手がメイン。元々、入学時から野手だったが、「(内野手で)バックホームの際のスローイングで、指にかけて球を投げられるし、コントロールがいい」ところを買われて、投手転向を打診したことが始まりだったという。

 しかし、春季大会が終わってから、事態が変わった。主力投手のケガによる離脱などにより、「自分しかやる人がいなくなった」と頼みの綱として、甲斐に白羽の矢が立った。

 夏までの数か月間、主力投手になった甲斐は、大型連休をはじめ多くの試合で登板数を重ね、経験値を増やし続けて迎えた日大鶴ヶ丘戦、「最近不調だったんですが、外野フライを打たせた方が楽だと思ったので、スライダーではなく、チェンジアップを多投しました」と緩急を生かすような普段と違う投球スタイルで強豪私学を封じた。

 日大鶴ヶ丘・木嶋に話を聞いても「マシンでスライダーを中心に対策してきました」と話しており、チェンジアップが中心になるのは想定外。試合途中で、逆方向への打撃を意識するようにしたとのことだったが、甲斐の投球が一枚上だった。

 チェンジアップ系の変化球は失投のリスクも当然ある。廣瀬監督曰く、「今までのチームとは違い、長打もあるので、低めに丁寧に投げよう」と指示を出したそうだが、リスクはどうしてもつきものだ。その点については「打たれてしまったら仕方ない」と割り切って、普段マウンドでは投げているという。その勇気、大胆さが強豪私学の勝利につながったといっていいだろう。

 現在の都立富士森のメンバーは気持ちとしては弱い方だという。ただ「今までにないような粘り強さ。集中力をもってコツコツと努力できる選手が揃っている」と廣瀬監督から見ても、一味違う世代だという。

 次戦は日大三と対戦。2019年の夏の大会で対戦した際はコールドで敗れた相手に、今度は勝利を手にして、決勝進出となるのか。西東京で唯一残った都立の雄の快進撃に期待したい。

 試合は都立富士森日大鶴ヶ丘バッテリーのミスから2点を先取。直後に日大鶴ヶ丘に1点を返されるも、5回、6回で追加点を挙げて都立富士森が3点差まで突き放す。

 ただ6回に日大鶴ヶ丘6番・木嶋のホームランで4対4の同点。その後、両チームに得点が入らずに延長戦に入ると、10回に8番・佐野元内野手(2年)がライトへの勝ち越し打。5対4で最後に甲斐が日大鶴ヶ丘を封じて、勝利を手にした。

(取材=編集部)

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