東海大高輪台・石川 被安打4の完封!駿台学園・桑島 被安打1も自らの悪送球に泣く

トーナメント表
東東京大会の勝ち上がり

大会の詳細・応援メッセージ
第104回 全国高等学校野球選手権大会 東東京大会

日程・結果一覧
東京TOPページ
第104回大会 全国47都道府県地方大会の日程一覧

<第104回全国高校野球選手権東東京大会:東海大高輪台1-0駿台学園>◇14日◇2回戦◇神宮

 東海大高輪台の投手陣の柱の1人である宮路 空夢は駿台学園中の出身。そして駿台学園のエース・桑島 天は駿台学園中では宮路の控えだっただけに、投げ合いたいという気持ちがあったが、東海大高輪台の先発は、背番号10の石川 大耀だった。石川はヤクルトの石川雅規の長男。父親と違って右投げだが、変化球を駆使した投球は、父親譲りとも思えるうまさがあった。

 先発を言われてからの4日間は、「ずっと緊張していました」という石川は、1回表に駿台学園の3番・片野壮一郎に二塁打を打たれ、4回表は1死一、二塁のピンチを招き、6回表には2死後、駿台学園の4番・佐々木優に三塁打を打たれるなどしたが、緩急をつけた投球で得点を許さない。「変化球もしっかり腕を振って低めに来ていました」と、駿台学園の三角裕監督は、石川の球の打ちにくさについて語る。そのうえ東海大高輪台は、遊撃手で主将の宮田 伝蔵らが好守で石川の好投を支えた。

 その一方で、駿台学園の先発・桑島についても、「ストレートの質がいい」と三角監督は語る。球速は130キロ強といったところだが、回転のいい球は、球速以上の球威を感じさせる。桑島の投球に東海大高輪台は攻撃の糸口がつかめない。東海大高輪台の安打は8回裏に2番・宮田が放った三塁打の1本だけ。ずっとノーヒットの投球が続いた。唯一、悔やまれるのは、4回裏の守りだった。

 4回裏、東海大高輪台は、3番・山岸 温生が死球、4番・望月理玖は四球で一、二塁になる。駿台学園の桑島が打者との勝負に集中しているスキに、二塁走者の山岸がスルスルと三塁に走る。「走っているのは分かりませんでした。キャッチャーが手を挙げたので気付き、慌てました」と桑島は言う。慌てて投げた桑島の送球は悪送球となり、山岸が三塁を回り生還。東海大高輪台が貴重な1点を入れた。

 この得点が重い1点になる。東海大高輪台の石川は、7回、8回、9回を三者凡退に抑え、1対0で東海大高輪台が逃げ切った。

 敗れたとはいえ、力を出し切った駿台学園の桑島の表情はさわやかだった。「(高校生活で)1番の投球でした」と語った。満足のできる投球で高校野球生活を終え、次のステップに進むことになる。

 勝った東海大高輪台の石川は、父親が投げる神宮球場のマウンドについて、「投げやすく、楽しかったです」と、語る。粕谷 祐天宮路 空夢という速球派投手に加え、変化球がいい石川が加わり、東海大高輪台の投手陣の層はさらに厚くなった。春季都大会は2回戦で都立新宿に逆転されるという衝撃的な敗戦を経験した東海大高輪台だが、投手陣を中心とした守りの整備はしっかり進んだ。あとは打線がどうかみ合うかがポイントになってくる。

(取材=大島 裕史)