プロ注目スラッガー・井坪陽生が通算16本塁打 5打点の活躍で冬場からの成長示す



ダイヤモンドを回る関東一・井坪陽生

<春季東京都高校野球大会:関東一11-0郁文館(5回コールド)>◇10日◇4回戦◇駒沢

 関東一が同じ東東京の実力校・郁文館を5回コールドで下した一戦。関東一は3回に一挙7得点で主導権を握るような形になったが、大きかったのは3番・井坪 陽生外野手(3年)の働きだ。

 2対0とリードした中で迎えた3回の第2打席、1死二、三塁の状況で2球目の真ん中あたりの高さの球を捉えると、瞬く間に前進していたセンターの頭上を越していく三塁打。ランナー2人が生還し、打線に勢いを与えた。

 この当たりには指揮官の米澤監督も、「あのセンターオーバーは良かった」と及第点を与えたが、その結果には井坪の柔軟な対応力が関係していた。

 初回の第1打席、郁文館先発・姚 柏宇投手(3年)の低めへの変化球の前にサードゴロ。タイミングが全く合わず、前のめりになり、体勢を崩されていた。この時点は、郁文館・姚の変化球に手こずるかと思われたが、井坪の対応が早かった。

「直球がいい投手なので、第1打席は直球狙いで絞りましたが、変化球にタイミングが合いませんでした。姚は変化球も良いので、2打席目は変化球に狙い球を絞って打つように切り替えました」

 普段から狙い球、特に初球は絞って打つタイプだという井坪。今回のように変化球を狙うのは相手バッテリーの配球や状況、さらに事前にチームで共有する情報を聞いて、整理した上で張っているという。

 今日も同じように対応して結果を残したが、4回に迎えた第3打席、郁文館2番手・吉田 志音投手(3年)がマウンドに上がった際は、「代わったばかりで一気にたたきたかったこともありましたので、速球系に絞って強い打球をはじき返すことを意識しました」と頭の中を整理して打席へ。2球目のカットボール系の球を捉えると、左中間スタンドへ届く高校通算16本塁打で試合を決定づけた。

 加えて、冬場に取り組んだ成果も関係していた。

「秋は詰まった打球が多かったので、ポイントを前において打てるように練習をしてきました」という井坪。この試合、2打席目はセンターオーバーながらも「少し詰まり気味でしたので、ポイントを前に置きました」と修正して迎えた3打席目が大きな1発に繋がった。

 ホームランを含めて3打数2安打5打点の大暴れだったが、5回にはマウンドにも上がった。最速144キロを計測する真っすぐを軸に、無失点に抑えて試合を締めた。

「立ち上がりは毎回悪いのですが、修正できたことは良かった」と自己評価をするが、センターからマウンドに上がるということで、プルペンでは20球ほどしか投げていないという。

 代わりにセンターでのキャッチボールは強めに投げるなど、できる準備をセンターでやりつつ、ベンチでは状況を見てブルペンでキャッチボールをするなど、自身で考えて判断し、準備をしていた。

 ベースランニングも軽快で、センター守備でも強肩が光る。走攻守でハイスペックな井坪は、次戦以降はどんな活躍を見せるか楽しみだ。

 試合は3回に関東一が9番・桝川 颯太投手(3年)の一打で先制点をつかむと、勢いそのままに6番・須藤 彪内野手(3年)らの一打で一挙7得点。主導権を握ると、4回に3番・井坪のホームランなどで4得点。11対0とすると、先発・桝川、大場 慎之介投手(3年)と繋いで、最後は井坪が締めて郁文館を下した。