沖縄水産vs沖縄尚学
好投で優勝に導いた沖縄水産・上原昂
＜第69回沖縄県高等学校野球春季大会：沖縄水産6－1沖縄尚学＞◇9日◇決勝戦◇[stadium]アグレスタジアム北谷[/stadium]
四半世紀振りの優勝
沖縄が生んだ名将栽弘義氏が率いた新垣 渚や稲嶺 誉（共に元ソフトバンクホークス）ら1998年チームがまだ新二年生だった前年の1997年春の県大会を制して以来、沖縄水産が実に25年振りの優勝を果たした。
驚異的な打率を残した川端南海斗
好打者が揃う沖縄水産高校打撃陣の中で不動の1番を務める川端 南海斗（なみと）がセンター前ヒットで出塁。続く吉元 悠貴がライト前へ運ぶと川端 南海斗は躊躇することなく一気に三塁を陥れ三塁ベース上でのガッツポーズ。ナインを鼓舞するのには必要十分だった。川端 南海斗はこの試合でも3安打をマーク。春季大会5試合で（20打数14安打）打率7割ちょうどの大暴れだった。
今日はエンジョイベースボール
ここで3番仲本 海がライトへの犠牲フライを上げ川端 南海斗が生還。僅か10球で先制した。その後二死満塁としたが、捕手からの三塁牽制送球が逸れる間に2点目を迎え入れた。
沖縄尚学高校は2回裏、5番川満 渚生が初球を振り抜き右中間方向スタンドへソロアーチ。追い上げムードには十分な一発だったが、この日の沖縄水産高校先発上原 昂也が、それ以降沖縄尚学打線を沈黙させた。
「行けます！打たせません！」と監督に申告した上原 昂也。8回途中でリリーフを仰いだが、7回と1／3イニングを投げ被安打6と好投。新種のコロナ禍にあって練習出来ない中、見事な踏ん張りを見せてくれた。
沖縄水産は3回に芳山 海斗のホームランで加点。4回にはワイルドピッチで引き離すと6回には代わったばかりの沖縄尚学高校吉山 太陽に対し初球スクイズを成功させた。「向こうからしたら何とかして追い上げたい終盤で、またもや点を取られるのはキツいはず。」と百戦錬磨の上原忠監督のタクトに次々と応えるナイン。
「今日はエンジョイベースボール」との指揮官の声に、乗りに乗ったナインが辿り着いた春の頂点は、ちょうど四半世紀振りとなる10度目の優勝。昨年秋の県大会では3位も優勝した興南と互角の戦いを演じてからのＶは、最後の夏へ向けてモチベーションアップにこれ以上ないもの。1998年の全国高等学校野球選手権大会以来、24年振りの聖地帰還なるかどうか。全国の野球ファンもあの沖水のユニフォームが甲子園に帰ってくるのを、心待ちにしているはずだ。
（取材＝當山 雅通）
