沖縄尚学vs久米島・南部商
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沖縄尚学・川満選手
<第69回沖縄県高等学校野球春季大会:沖縄尚学10-0久米島・南部商>◇1日◇準々決勝◇[stadium]アグレスタジアム北谷球場[/stadium]
コールドで沖縄尚学が2年連続23度目のベスト4へ進出
「知花が1番に座って力を出してくれるとチームにとっても良い形になる」と試合後に語った沖縄尚学・比嘉 公也監督。1回裏はチームの先頭打者としていきなり二塁打を放ち先制のホームを踏むと、3回にも2打席連続二塁打を放ちプレッシャーをかけて2点をゲット。指揮官の期待に十分応える斬り込み隊長の働きが、チームを2年連続のベスト4へと導いた。
しぶとく点を取る姿勢を見せた沖縄尚学
1回裏、沖縄尚学は二塁打の知花 慎之介を起点に、犠打と内野ゴロの間に生還させる。3回裏の沖縄尚学はエラーの走者を一塁に置いて再び知花 慎之介が二塁打を放ち二、三塁。そこから相手のワイルドピッチと、足を生かしたフィルダースチョイスを誘い3対0とした。
13人の連合チームに対し明らかな戦力の違いを持っている沖縄尚学。5回にはこのイニング先頭の2番新城 安悠の三塁打を含む4本の長短打を集め4点を奪うと、6回にも5番川満 渚生の適時打と、7番玉那覇 世生の適時打で10点目を挙げコールドゲーム。玉那覇 世生は2打席連続二塁打からのサヨナラ打と、下位打線とは思えない活躍。これも選手層の厚さと言えるだろう。
「もう少しストライクからボールになる球で勝負できないものか」先発したエース吉山 太陽に対する比嘉 公也監督の叱咤だ。久米島・南部商連合チームに3回までに2度、得点圏に進められる苦しいピッチングは、ストライクを簡単に取りに行くことで相手に捉えられ自らを苦しくしてしまうことを嘆いたものだった。「帰ってから調整させます。」その言葉通りといおうか。このゲームの翌日、準決勝のマウンドにも立った吉山 太陽は、好調な宮古打線を相手になんとノーヒットノーランの快投を見せた。
2年連続夏の頂点へ向かうためには、この大会辞退した秋の王者興南をはじめ多くのライバルたちを倒さねばならない。「全員に共通しているが、もう少し心の強さが出てきてくれないかな。」とは比嘉 公也監督。ナインが自分のためにではなく、仲間のためにならもう一段階ギアを上げて練習に励むことも、本番で相手を飲み込むほどの闘志を備えることも可能だろう。怖れず、気負わず、侮らずの沖尚スピリットで。
[page_break:沖縄県連合チーム初のベスト8]沖縄県連合チーム初のベスト8
敗れた久米島・南部商連合チームだが、沖縄県連合チームとしては春季大会、選手権沖縄大会、秋季大会、一年生大会を通じてこれまで出場してきた中で初めてのベスト8入り。近年では珍しい左サイドハンドの吉永 結(久米島)に対し「キャッチボールの時点ではまあまあと思ったが、試合に入っておぉっ!と。本当に良い投手でした。」と敵将・比嘉 公也監督に言わしめる活躍を中心に、メンバー全員がやれることを100%やり切ったこの春の戦いぶりは見事で、周囲を感動させた。「夏も同じチームでやりたいね。」連合チームを率いた平良 隆訓監督(南部商)も目尻を下げてナインを褒め称えていた。
(取材=當山 雅通)
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