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1次予選のトーナメント表
日大二、都立日野などが属する第1〜6ブロック
世田谷学園などが属する第7〜12ブロック
日本学園などが属する第13〜18ブロック
城西大城西、日大豊山などが属する第19〜24ブロック

巨人ドラ1ルーキーを参考に成長中の技巧派サイドが好投。正捕手を欠いた都立篠崎のピンチ救う



都立篠崎先発・伊藤輝

 3月12日、東京都大会出場を目指したブロック予選が開幕し、日大鶴ケ丘グラウンドでは、都立大崎都立篠崎の都立勢同士の一戦が行われ、都立篠崎先発・伊藤輝投手(3年)の最後まで落ち着いた投球が光った。

 5回に自らのバットで先取点を奪ったものの、直後に都立大崎6番・大野瑠以内野手(3年)のヒットと味方のエラーなどで1死満塁のピンチを招く。1番・高橋勝輝外野手(3年)に遊ゴロを打たせるも併殺プレーが成立せずに同点とされたが、その後の2死二、三塁と勝ち越しのピンチを切り抜けるなど、崩れることなく落ち着いた投球で勝ち越しまでは許さなかった。

 粘ったエースを援護するように、6回に2死一、三塁から相手のミスで勝ち越すと、7回には2得点と主導権を握ることに成功。3点リードをもらった都立篠崎・伊藤は外角中心に緩急自在の投球を見せ、都立大崎を翻弄してアウトを積み重ねた。

 8回に一挙9得点で試合を決めると、最後は2番手で登板した下村渉投手(3年)が抑えて、都立篠崎が13対3で都立大崎を下した。

 本来のスタメン捕手を含め、都立篠崎はレギュラー3人が新型コロナウイルスの影響で欠場。女房役は下級生・松本康暉捕手(2年)が務めることになった。この事態に、「自分がリードしていかないといけない」と奮起した伊藤は、セットポジションから足を高々と上げ、ヒールアップで勢いとリズムを作ると、体で腕をギリギリまで隠して、腕を振りぬく右横手投げの技巧派投手の利点を生かした。

 リリースの位置が下がっていることもあってか、同じコースに浮き上がるような軌道で球を集めつつ緩急をつけた。対戦した都立大崎・木村隼三投手(3年)も「真っすぐは浮き上がるように、変化球はしっかり沈むように見えました」と独特な軌道を持っていることは伊藤の強みといっていい。

 ただサイドスローである以上、球の切れは一定以上が欲しい。球速は「出ていても120キロくらいだと思います」と伊藤が自己申告するほど、決して走っているわけではない。野木監督もそこは認めているが、エースとして1年生の秋から登板させている。それは制球力を生かした投球術があるからだ。

 江戸川東シニア時代からサイドスローの伊藤は、当時から「真っすぐが走っていなかった」と球速では勝負できないことを理解したうえで、大事にしてきたのはコーナーを突いて打たせて取る投球を意識。コースを狙って投げることを心掛け、都立大崎戦でも、どの球種も丁寧に外角中心に集め続ける投球が光った。