関東一 秋のリベンジを果たし決勝進出! 東海大菅生 都内公式戦20連勝ならず



殊勲の三塁打の関東一・石見陸

 春季都大会の準決勝は、2試合とも秋の準決勝と同じカードになった。東海大菅生関東一は7対5で東海大菅生が勝っている。夏は西東京と東東京に分かれるだけに、関東一の米澤貴光監督は、「春しかリベンジの機会はない」と、静かに闘志を燃やしていた。

 ともに選手層の厚い両チーム。東海大菅生は、春季大会は中心投手となっている鈴木 泰成が先発したのに対し、関東一は、秋は記録員だった鈴木 義信が先発した。「サイドスローにして、努力してきました」と、米澤監督は、鈴木を評価しての先発起用である。エースの市川 祐の先発を予想していた東海大菅生としては、想定外だった。

 東海大菅生は1回裏、一番・榮 塁唯が中前安打で出塁し、ワイルドピッチで二塁に進む。しかし2番・小山 凌暉のバントを鈴木はうまく処理して、三塁を狙った榮を刺した。さらに4番・堀町 沖永の遊ゴロを関東一の遊撃手・楠原 悠太が好捕、一塁へ送球して得点を与えない。東海大菅生は2回裏も2安打と四球で一死満塁のチャンスをつかんだが、9番・鈴木 泰成は三振、1番・榮は左飛に終わり、得点できない。

 関東一の鈴木は公式戦初先発だけに、東海大菅生としては、序盤でしっかり攻略したいところだったが、チャンスを潰したことにより、横手投げ、軟投派の鈴木の術中にはまり、早打ちで、凡打を繰り返すようになる。

 東海大菅生鈴木 泰成は、序盤3回を危なげなく抑える。しかし4回表一死後、関東一の4番・楠原 悠太のライトへの打球を、右翼手がグラブに当てながらも落球。楠原は二塁に進む。記録上は二塁打になったものの、捕球できる打球であった。ここから、東海大菅生鈴木 泰成のリズムが狂い始める。

 5番・津原 璃羽、6番・鎌倉 滉太の連続安打で関東一が1点を先制する。なおも一死一、二塁から7番・石見 陸が粘った末に、東海大菅生鈴木 泰成が「甘く入った」という球を叩くと、左中間を破る三塁打になり、2人を還した。「粘って、スライダーを打ちました」と石見は言う。秋は東海大菅生本田 峻也の変化球に苦しんだだけに、「変化球を秋は打てませんでしたが、勇気を持って振ってくれました」と、米澤監督も評価する。さらに鈴木 泰成のワイルドピッチで、石見は思い切りよく本塁を陥れ、貴重な1点を追加した。

 関東一鈴木 義信の緩急をつけた投球に打たされた感のあった東海大菅生であるが、6回裏は左前安打の千田 光一郎を6番・多井 耶雲が左前安打で還した。

 しかし東海大菅生の反撃もここまでだった。8回裏か関東一はエースの市川 祐が登板。四死球による走者は2人出したものの安打は許さず、無失点。昨年夏に独自大会として開催された西東京大会と帝京との東西代表戦、秋季都大会と、都内では負けなしで、この大会も含め19連勝だった東海大菅生は、関東一に敗れ20連勝はならなかった。

 敗れた東海大菅生鈴木 泰成は、冬の間下半身を鍛え、最速も139キロから143キロと上がり、センバツでも好投した。しかしこの試合では、「スライダーがうまく決まらず、修正できませんでした」と課題が残るマウンドになった。また東海大菅生の若林弘泰監督は、「初回のバント失敗が痛かった。お粗末な試合でした」と語る。しかし敗れたとはいえ、東海大菅生は夏の西東京大会でも優勝争いの中心にいることは変わりない。この敗戦をどう生かすのか、注目したい。

 勝った関東一であるが、翌日からは緊急事態宣言が発出されるために、決勝戦は延期になった。それでも準決勝を戦い終えた関東一の米澤監督は、「このような状況で試合をやらせてもらい、ありがたかったです。感染は怖いですが、状況を受け止め、しっかりとした行動をしたいです」と語った。

(記事:大島 裕史)