日本学園、延長11回タイブレークの熱戦で岩倉を下す!明暗を分けた10回の攻防



日本学園先発・浅井颯斗

 1回戦で春夏の甲子園で優勝3回の帝京を破った日本学園が、2回戦でセンバツ優勝経験のある岩倉と対戦した。日本学園にとっての試合の焦点は、帝京戦で完投した浅井颯斗のスタミナがどこまで持つかであった。

 身長171センチ、体重60キロと細身の浅井は、帝京との対戦が決まった時、緩急をつけることが、球速以上に重要だと考えた。その考え方が岩倉にも通じ、5回まで1本の安打も許さぬ好投をみせる。浅井は秋に比べ、体力面もかなり成長した印象を受けた。

 攻撃面では2回表に伊藤樹の三塁打などで日本学園が1点先制すると、4回には相手のミスもあって2点、5回にはクリーンアップトリオの連打などで2点を挙げ、完全に日本学園ペースであった。

 ところが6回裏この回先頭の岩倉の2番・奥野未夢のレフトへの打球、守備側に厳しくジャッジすればエラーとなるような打球であったが、二塁打となり、流れが変わる。奥野は三盗と内野ゴロの間に1点を返す。

 このあたりから、日本学園の浅井の球威がはっきりと落ちだした。帝京を破った試合から中2日の登板。疲れるのも仕方ない。7回裏岩倉は、奥野の三塁打などで一挙5点を挙げ、試合をひっくり返す。

 岩倉の反撃ムードを作った要因に、5回表の途中から、二塁手からマウンドに上がった主将の高畠 雅裕の好投が挙げられる。高畠は、「入った時からピッチャーをやったらよくなる」と、豊田浩之監督が投手としての素質を感じていたものの、本格的に投手の練習を始めたのは3月から。それでも高畠が「普段から遊びながら覚えました」という、スライダー、ツーシーム、チェンジアップなどを効果的に使い、日本学園に追加点を許さなかった。

 日本学園も8回裏から公式戦初登板という山田将大を投入。この回を無失点で抑え、9回表日本学園の攻撃を迎える。この回の攻撃が始まる前に、交代した浅井が、「もう1回俺を投げさせてくれ」と涙ながらに訴えた。

 しかしあっさり二死となり、岩倉の勝利は目前であったが、ここから3番・木村佳暉が右前安打で出塁すると、4番・澤田夕輝も中前安打で続き、5番・長沼海音の右中間を破る二塁打で1点が入り、日本学園が同点に追いついた。

 試合はそのまま延長10回からは、無死一、二塁から始まるタイブレークに突入した。9回に上位打線で追いついた日本学園は、7番・伊藤という下位打線から。対する岩倉は当たっている2番・奥野からという好打順で始まる。

 10回表、日本学園は得点できずに終わる。岩倉は上位打線で1点を取ればいい。圧倒的に有利な状況だ。2番・奥野は二塁打、三塁打を打ち当たっているが、ここは当然バントのケースだ。奥野はファールが続いた後、強打に切り替わる。「(日本学園の)一塁手がチャージをしていたので……」と豊田監督は語る。しかし奥野は右飛に終わる。後続も打ち取られ、岩倉は2番から始まるこの回に得点できなかった。

 11回日本学園の攻撃は、1番・木下剛から。木下の内野安打で満塁となると、連続死球による押し出しで2点。さらに4番・澤田が中前安打を放ち2人が還り、勝負を決めた。

 その裏岩倉は1点を返したものの、反撃もここまで。日本学園が勝利し、3回戦進出を決めた。

 試合後岩倉の豊田監督は、「10回はバントでいくべきでした。それでも、日本学園の方が上だったと思います」と語る。

 帝京に次ぎ、岩倉も破った日本学園は、3回戦は関東一と対戦する。実力的には関東一が上回っているが、日本学園は試合をするごとに強くなっており、好ゲームを期待したい。

(記事:大島 裕史)