昨秋、都大会2回戦でコールド負けを喫した帝京はこの試合でも実力を発揮できずに終わった。

 とはいえ、一冬超えて安川 幹大(3年)が本格化してきた。180センチ75キロと均整がとれた体格。

 バランスの良い投球フォームから繰り出す常時130キロから135キロ前後の速球は手元でキレがあり、球速表示以上に勢いを感じさせる。

 ストライク先行を行い、120キロ前半のスライダー、120キロ中盤のフォークを織り交ぜ、3回まで無失点、5奪三振。日本学園の高橋監督も「変化球も低めに決まっていてよかったですし、やはり手が出てしまいますよね」と高く評価をしていた。

 安川に関しては、実力的には近年の帝京のエース投手の中でも上位に入るレベルにある。良い時はよどみなく、ストライクが取れてだるさがない。

 惜しむべきは4回表に守備のミスから失点をしてしまったこと。能力的に勝てない投手ではなく、安川ほどの制球力、ボールの切れ、リズムの良さを持った投手で勝てないとなると、野手に責任が回ってしまうのは致し方ない。

 日本学園の浅井に対し、何もできなかった。春は関東大会出場を目指しつつ、夏につながる試合内容を残すことが大事。エースの安川については要所の甘さはあったが、夏も期待が持てる投球内容だった。

 野手については次につながる試合内容は残せただろうか。

 今回のベンチワーク、試合に臨む姿勢のままだとやはり夏も厳しい。戦闘集団といえるだろうか。

 これについては指導者からの叱咤激励でどうにかできるものではない。体の底から湧き出るような最後の夏を迎えるであろう3年生、そしてそれを支える2年生たちの奮起にかかっている。

 昨年の夏休みの練習を見れば、決して惰性でやるチームではないことは重々理解している。苦しい日々は続くが、夏には「さすが帝京だ!」といわれるような強いチームになることを期待したい。

(記事:河嶋 宗一