延長10回タイブレークの熱戦!駒大高、矢崎の二塁打で逆転サヨナラ勝ち



逆転サヨナラ打の駒大高・矢崎蒼空

 郁文館は4月から、都立雪谷の監督として夏の甲子園大会に出場し、その後日体大荏原の監督を務めていた相原健志が助監督に就任。日本ハムの投手だった田中幸雄監督とのコンビで甲子園を目指すことになった。

 郁文館のエース・甲斐 一馬は、身長171センチと小柄な方ではあるが、キレのいい球を投げ、今年のセンバツで優勝した東海大相模と練習試合を行い、8個の三振を奪ったという。

 対する駒大高は、フルスイングの強力打線が持ち味であったが、このチームでは小技も織り交ぜて攻撃するスタイルになっている。投手陣は、秋は林大智がエースであったが、最近調子を落としたこともあり、現在伸びている竹内 和将がエースになり、この試合でも先発した。

 試合は1回裏駒大高が1番・相生哲太の二塁打などで駒大高がいきなり無死満塁のチャンスを迎えるが、4番・近藤大雄は三振、5番・矢崎蒼空が遊ゴロの併殺で得点できなかった。それでも駒大高は4回裏、7番・大根田拓也の左前安打にバッテリーエラー、8番・年田博昭のバントが内野安打にあり、9番・竹内の左前安打で1点を先制した。1点は先制されたものの甲斐は、なおも続くピンチでは、得点を許さない。駒大高はほとんど毎回のようにチャンスを作るが、そこでの郁文館の甲斐の粘り強い投球は見応えがあった。

 甲斐の力投に応えるようよ、6回表郁文館は、二死から4番・小沢大輔の右前安打に、5番、台湾からの留学生・郭家樺がレフト線に二塁打を放ち、同点に追いついた。郁文館は郭を含め、台湾からの留学生が4人ベンチ入りしている。彼らはこのコロナ禍、休みになっても台湾に戻ることができない中で、奮闘している。

 7回から駒大高は投手を安達元太に交代した。それでも郁文館は甲斐が1人で踏ん張り、試合は9回が終わっても1-1で決着がつかない。大会規定により、10回からは無死一、二塁から始まるタイブレークに突入した。

 駒大高はタイブレークから秋はエースであった林が登板する。10回表郁文館は、4番・小沢の左前安打による1点どまりであった。その裏駒大高は4番・近藤から始まる。近藤はバントを試みるが送ることができず、一死一、二塁。打席には5番の矢崎が入る。矢崎は、秋は関東一の好投手・市川 祐から本塁打を放つなど、速い球には強い。郁文館の甲斐が、「最後は高めに甘く入ってしまった」と悔いる球を捉え、センターオーバーの二塁打。2人が還り、駒大高が逆転サヨナラで郁文館との熱戦を制した。矢崎は第1打席の満塁のチャンスで併殺打を打って、チャンスを潰しただけに、「不甲斐ない気持ちがありました」と語り、決勝の二塁打については、「真っ直ぐを完璧に捉えることができました」と、喜ぶ。

 敗れた郁文館の田中監督は、「勝ちたかったです」と無念の表情を浮かべたものの、相原助監督の就任でチームの雰囲気が前向きになっていることに、手応えを感じている。

 大会初日からのタイブレークの熱戦。最初の公式戦で課題もあったものの、気持ちの入った一戦であった。

(記事:大島 裕史)