4番ライト・廣岡太平(都立日野)

 都立日野は投手の育成にたけているが、木下はテクニックが優れている。事前の情報によると、常時130キロ台の直球を投げると聞いていたが、120キロ後半がほとんど。ひっかけるボールが多いので、調子が悪いように見えて、本人にあまり調子は良くなかったと聞くと、「そうですね。秋のほうがまとまっていたと思います」と秋より調子は落としていたと語る。というのは自主練習期間中、実践学園でプレーしていた兄と投球フォームを見てもらっていたが、やはりマウンドで練習できない影響は出ていた。
「傾斜で投げる投球練習は本当に大事で平地で投げることに慣れてしまうと、平地で投げる体の使い方になってしまうので、再開したときに取り戻すのに苦労しました」
 本人はまだ調子を取り戻せていない。それでも直球、変化球を丁寧に投げ分けて、完封してしまう投球術のうまさはさすがである。

 課題はタイムリーが出るか。嶋田監督も「タイムリー欠乏症」と表現するように12安打3得点は、やはり次の試合へ向けて改善したいところ。想像以上に打者のポテンシャル、仕上がりは良い。2回戦では強豪・東亜学園との対戦を迎える。打倒・私立に燃える都立日野にとって正念場となりそうだ。

 敗れた立正大立正は山本 紘正が3失点の力投を見せた。右サイドから120キロ中盤の速球、スライダーを丁寧に投げ分ける投手。世田谷西シニア時代はベンチ外だったが、地道な努力を重ね、背番号1を獲得。内田監督も「粘り強く投げてくれましたし、今後は山本以外の投手が公式戦で投げられるまでに育てたい」と投手陣の底上げを課題に挙げ、完封負けに終わった打線については「入学当初は例年以上に力があるチームだと思っていました。この内容に終わったのでもう一度、鍛えなおしていきたいです」

 試合を見ても打撃能力がそれほど低いチームとは思えず、はまれば高い得点力が期待できる潜在能力のある選手は見られた。夏までの浮上を期待したい。

(記事:河嶋 宗一