終盤の集中攻撃で堀越がコールド勝ち!海城・渡辺は存在感見せる



堀越・黒井怜

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 堀越海城による江戸川区球場3試合目は中盤までは僅差の試合運びになる。

 先制は海城。1回に1番・板野直央が二塁打で出塁すると、6番・杉村奎伍のタイムリーで海城が幸先よく先制。リードする形で試合を進めていくこととなるが、堀越も2回に反撃。堀越7番・山口志温のヒットで同点のランナーを出すと、9番・佐藤開のタイムリーで同点。堀越海城の背中を捉えた。

 すると、4回に堀越は6番・大沼誠拓のヒットからチャンスを作り、8番・五十嵐甲子郎のタイムリーで逆転。堀越が勝ち越しに成功すると、一時膠着状態となるが、7回に相手のミスと3番・黒井 怜らのタイムリーが重なり一挙7得点。これで試合を決めた堀越が9対1の7回コールドで海城を下して1回戦突破。日大三が待つ2回戦へ駒を進めることとなった。

 試合は堀越が勝利したが、試合展開を見れば海城が比較的試合を優勢に進めていた印象が強い。その中心にいたのはエース・渡辺向輝であった。身長166センチ、体重54キロと身体は小さい。しかし、その体格からは想像しにくい伸びのあるストレートを次々と投げ込んでいく。さらに、鋭く落ちるスライダーなど変化球も切れがあり、堀越の打者から次々と空振りを奪っていく。

 昨秋の地区予選でも見ていた投手だが、今春になっても変わらず全身のバネを存分に使った躍動感ある投球フォームが特徴的だ。加えて反応も良い。3回の一死三塁では堀越4番・田倉正翔の痛烈なピッチャーゴロを捕球し、冷静にファーストへ送球して、3回はピンチを脱した。

 身のこなしが軽く、運動神経の高さを随所に感じさせる渡辺だが、「あまり反射神経は良くないんですが、ラダーとか敏捷性は得意です」とコメント。それでも実際に対戦をした堀越の3番・黒井も「思わず手が出てしまうボールだった」と打席から見た渡辺のボールの凄さを語る。

 それだけに7回の7失点は痛かったが、冬場に磨いてきたアウトローへの制球力。そして新たに習得したカットボールでカウントを整えられたこと。さらに脱力した状態でも伸びのあるストレートを投げ込めたことには手ごたえを感じていた。今大会前に練習試合はわずか3試合と調整は困難だったが、「夏は終盤まで投げきれるようにしたい」と渡辺は意気込みを語った。夏に向けてさらなるレベルアップを図り、一皮むけた渡辺の姿を見られることを楽しみにしたい。

 そして勝った堀越は7回の集中打で一気に海城を引き離すことになったが、黒井主将は「みんな高めのストレートや低めの変化球に手を出してしまったので、そこを見逃して甘いボールを打てたので結果を残せました」と自身バッティングを振り返る。この試合は3打数2安打1打点、ヒット2本とも長打になっているなど、主将として中軸としてチームを牽引する形になった。ただ練習試合まで調子が悪かったと語る。

 「スイングスピードは125キロくらい出ていて自信があるんですが、軸足に重心を乗せすぎてしまったので、目線が斜めになってしまいボールを捉えることが出来ていませんでした。そこで監督から『軸を真っすぐにするように意識しろ』と言われてから軸を意識するようになってボールが見えるようになって、自分のポイントで捉えることが出来ています」

 高校通算3本塁打ほどだが、179センチ85キロの体格からシャープなスイングでボールを捉える辺りは非常に風格がある。2回戦以降の打撃も楽しみだが、そんな黒井は中学時代は青葉緑東シニア出身。今大会注目左腕の1人・甲斐 一馬郁文館)と同じチームだ。「大会前には注目投手としてあげられるので、僕も『負けられない』と思って刺激を受けています」と旧友の活躍に刺激をもらいながら、さらにレベルアップを図っている。

 続く相手は日大三。「無駄な四死球は少ない印象ですが、自分のバッティングをできればと思います」と黒井主将は意気込みを語った。指揮官の小田川監督も「横綱相手にぶつかっていければ」と挑戦者の気持ちで日大三に挑む姿勢を見せた。昨秋の準優勝校相手にどのような野球を見せるのか、6日の2回戦の堀越の戦いに注目したい。

(取材=田中 裕毅)