あわやコールド負けの日大鶴ケ丘、黄昏時の8回一気の逆転でコールド勝ち



後半は立ち直った山本輝大(日大鶴ヶ丘)

 城北・国学院久我山に代表されるように、この大会は、ビッグイニングで試合がひっくり返るような、起伏の激しい試合が多いが、この一戦も、まさにそうした試合だった。

 日大鶴ヶ丘は1回戦の都立東大和戦では打撃が不振で、左腕・山本 輝大の好投で、1-0で辛うじて勝っている。ところがこの試合では、萩生田博美監督が、「今日はボールが走っていませんでした」というように、山本は苦しい投球であった。これを東海大高輪台の打線が見逃すはずもなく、2回、3回に3点ずつ取って、6点のリード。もう一押しで、コールドという、一方的な展開になった。

 それでも、1回戦での打撃不振を受け、この1週間は振り込んできただけに、日大鶴ケ丘の萩生田監督としても、「どこかでチャンスはあると思っていました」と語る。
 後半になると、東海大高輪台の先発・的野健太の球を捉えだし、日大鶴ヶ丘は5回に2点、6回に1点を取って追い上げる。それと並行するように、立ち上がりは悪かった山本の球が徐々に走り始める。

 秋の日は釣瓶落としの言葉があるように、午後2時45分に始まった試合も、後半になってくると、次第に日陰の部分が増え、暗くなってくる。
 東海大高輪台の先発・的野は7回を終えて、球数は111。1回戦も継投で勝っており、「本当は7回で代えようか、考えていました」と宮嶌孝一監督が言う継投の時期は、結局8回になった。的野に代わり登板した粕谷 祐天は、球威はかなりある。しかし荒れ球で、4四死球の押し出しで、点差はわずか2点になった。なおも一死満塁で、6番・渡邉 駿佑はセンターに深い打球。黄昏時で打球が見にくいこともあるのだろう。中堅手は捕球できず二塁打となり、満塁の走者3人が還り、日大鶴ヶ丘は一気に逆転した。

 さらにバッテリーエラーで、渡邉も生還。粕谷に動揺が感じられる。その後も四死球やバッテリーエラーなどが続き、投手を鈴木瑠晟に代えても流れを止められず、2番・北野 寛太の三塁打などで加点し、この回11点。東海大高輪台が3点をリードして迎えた8回表が終わると、日大鶴ケ丘が8点をリードしていた。

 その裏、立ち直った山本が東海大高輪台の攻撃を三者凡退に抑え、14-6で日大鶴ヶ丘が勝った。
 東海大高輪台は一瞬の乱れで、大勝ペースだった試合がコールド負けになった。ただ、宮嶌監督が、「打線は悲観すべきことはない」と語るように、相手投手が左腕の山本ということで起用した右打者の山岸温生が活躍するなど、選手層の厚さもみえた。衝撃の敗戦を発奮材料にしてほしい。

 勝った日大鶴ヶ丘は、3回戦で好投手・羽田 慎之介を擁する八王子と対戦する。「すごいらしいですね。でも同じ高校生なので」と萩生田監督。この1週間で対策を練って3回戦に臨む。

(記事=大島 裕史)

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