先制、中押し、ダメ押しと早大学院が得点を重ねて都立小平を振り切る



本塁打を放ち、三塁ベンチ前に手を掲げながらホームへ向かう早大学院・田村君

 土曜日に降った雨の影響で17日に予定されていた試合がずれ込んで、月曜日のこの日の開催となった。

 都内の私学では入試最難校とも言われている早大学院だが、近年は木田茂監督も「ドラフト候補や上(早稲田大)でもやれる選手も育てていきたい」ということで、文武に優秀な中学生に積極的に声掛けしていくなどの活動もしているという。そういう中で、好素質の選手もポツリポツリと入学するようになると、彼らに引っ張られるようにして他の選手たちの意識も技術も上がっていくという好循環を示しているという。

 早大学院は2回、一死から椎名君、柳島君の連続二塁打で先制する。いずれも中越へ大きな弧を描く打球だった。ただ、早大学院はその後も四球とバント安打などで満塁と攻めたが、上位にあと一本がなかった。ここは、都立小平の酒井君がよく踏ん張ったとも言えようか。

 その後は、試合はそのまま膠着気味になって、早大学院の椎名君、都立小平の酒井君と両左腕粘り合いとなった。

 6回に早大学院は一死後8番栗原君が右前打で出ると、すかさず二塁盗塁。二死二塁から1番武藤君の痛烈な打球が中前へ抜けて、これがタイムリーとなって二塁走者を帰した。ここまで、やや攻めあぐみ気味でもあっただけに、早大学院としてはいい形の追加点となった。

 さらに7回にも早大学院は4番田村君がバックスクリーンに飛び込む大きな本塁打を放つ。ようやく主砲に一発が出て、早大学院ベンチは大いに盛り上がった。その勢いで、二死から四球の柳島君が暴投などで三塁まで進むと、相手の飛球落球もあってさらに1点追加した。そして、9回にも四球でチャンスを貰い、武藤君のタイムリーでダメ押しとなる2点を追加した。

 立ち上がりには連続四球を与えていた椎名君は、ボールが先行して球数も多くなっていた。もっとも、その荒れ方が的を絞らせずに6回まで都立小平打線を無安打に抑えていたところもあったかもしれない。7回にやっと岩野君が初安打を放った都立小平は、その走者をバントで進め、8番有間君の左前打で帰して一矢を報いた。

 この1点で踏ん切りがついた木田監督は8回からは予定通りにエースナンバーを背負った中澤君をリリーフのマウンドに送る。同じ左腕だが、足を跳ねてバネを効かせた投球フォームから投げ込んでくる。9回にはあと一人というところで連続四球を与えはしたものの、任された2イニングはしっかりと無安打無失点に抑えたのはさすがだった。

 木田監督は、「本当は6回で代えようと思っていたのですが、ノーヒットに抑えていたので、せっかくだからと行かせたのですが、案の定、打たれました。それでも、6回以上投げたことなかったので、よく投げてくれたと思います。打線は、左に対してなかなか自分のスイングができなくて、苦労したけれども、田村に一発が出て勢いづきました」と振り返った。

 椎名君自身も、好投しながらも、「6回までノーヒットに抑えていたのは知っていました。ただ、ちょっと球数が多かったかと思います。もっともテンポよくいかないといけない」と反省点もあげていた。

 就任3年目の都立小平の佐々木優監督は、「ちょっとイメージしていた展開とは違ってしまいました。もっと取って取られてという展開になるかなとも思っていたのですが…。まあ、ウチの投手はあんな感じのペースですから、持ち味は出せました。また、作り直してきます」と来季へ向けて意識を切り替えていた。

(記事=手束 仁

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