明学東村山、八王子実践の好投手・後藤を攻略し夏のリベンジを果たす



明学東村山4番・倉持欣仁

 明学東村山八王子実践はこの夏の西東京大会も初戦で対戦し、その時は11対7で明学東村山が勝っている。「まさか、また当たるとは」。明学東村山の熊谷政広監督も驚きを隠せない。明学東村山にとって、140キロを超える速球を投げる八王子実践の好投手・後藤 結人をいかに攻略するかが勝利のカギになる。速球に設定したマシンの球をしっかり見ることで、速球に目を慣らせるなどの対策を講じてきた。

 しかしマシンの球と、人が投げる球はやはり違う。選手が「速い」と言って、ベンチに戻ってくる。しかもフォークなどの変化球もあるので、そう打てないと、熊谷監督も感じていた。

 もっとも明学東村山は、八王子実践の後藤の立ち上がりを突いて、1回表2番・高木秀真の四球に3番・池田翔陽が中前安打で続き、「バットを短く持って、センター返しを意識しました」という、4番・倉持欣仁の中前安打で1点を先制した。

 それでも後藤は、1回表は奪三振2、2回表は三者連続三振に抑えるなど、大器の片鱗は見せた。

 一方、明学東村山の先発・山本聖力は、後藤のような球速はないものの、球には力がある。しかも遊撃手の池田や中堅手の小峰拓真の好守備もあって、守りからリズムを作っていった。

 4回表明学東村山は、この回先頭の堀内大翔が死球で出ると、2人続けて送らせて二死三塁とした。「三塁まで進めば、何が起きるか分かりませんから」と、明学東村山の熊谷監督は言う。もちろん、9番・岡部創を「もう1人の1番打者」と期待しての采配でもあった。岡部は期待に応えて中前安打を放ち、貴重な追加点を挙げた。さらに1番・小峰が左中間を破る二塁打を放ち、1点を追加した。

 このあたりから、後藤の状態がおかしくなっていた。6回表二死一塁で、明学東村山の1番・小峰に3ボールとなったところで、捕手の高野哲平がマウンドに駆け寄った後、降板し、一塁の守備についた。実はこの時、血マメがつぶれていた。

 小峰は四球で出塁し二死一、二塁となり、後藤に代わり登板した山田駿介から2番・高木が右中間を破る三塁打を放ち、2人が生還し、明学東村山は貴重な2点を追加した。

 明学東村山の熊谷監督は継投のタイミングを考えていた。しかし山本の出来がいいので、「投げさせすぎました」と熊谷監督。7回裏からは下手投げの蒲原行世を投入した。蒲原は走者を2人だし、打席には打っては4番の後藤。後藤は打撃センスも良く、左中間を破る二塁打を放ち、2人が生還。八王子実践が反撃に出る。

 けれどもこ明学東村山は8回表、この日4安打と大当たりの4番・倉持の二塁打などで、一挙4点を挙げ7点差になり、8回でコールドが成立した。

 明学東村山は、熊谷監督が「負けても楽しくやろう」と語っており、選手がのびのびとプレーしていた。夏までは内野手で、この秋から捕手になった主将の倉持は、「プレッシャーはありますが、試合を作る楽しさがあります」と前向きだ。こののびのびさが、相手チームにとってはプレッシャーになるかもしれない。

 一方敗れた八王子実践の後藤であるが、未完の大器であることは確かだ。この冬どういう姿勢で練習をするかによって、評価は違ってくるのではないか。

(文=大島 裕史)

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