雨の中の熱戦、日大一が8回に追いつくも延長12回、修徳がサヨナラ



雨中リリーフで奮闘した修徳・長柄君

 秋季東京都大会は、超大型の台風19号の影響をもろに受ける形になって、12日からの予定がまるまる二日間ずれ込んだ。そして、日程は、1回戦でもあり当初に決められていた日程を優先していく形となっていた。従って、この両校は組み合わせ決定と同じ日程(3試合になったことで開始時刻は少しずれこんだ)で行われた。

 この両校の対決となると、かつては下町の強豪対決でもあり、50代以上の東京都の高校野球ファンにとっては感慨深いものがあるのではないだろうか。修徳は春は2005(平成17)年、夏は2013年に甲子園出場を果たしているが、日大一は第70回大会の1988(昭和63)年を最後に甲子園から遠ざかっている。その間に学校そのものも共学校となるなど変革も遂げていた。そうした中でも、伝統の「NIHON」の文字でフロントラインの入ったユニフォームはマイナーチェンジこそあれ基本は変わっていない。

 さて、試合は流れが中盤大きく変わっていった展開となった。前半は修徳のペースで、2回にスクイズ失敗がありながらも、二死満塁から1番大澤君の三塁手を強襲した安打で先制。さらに4回にも二死走者なしから伊藤聡君、唐津君と下位の連打と大澤君の右線二塁打で2点を追加。日大一の渡邊尚樹監督はたまらず5回には下手投の1番をつけた梅村君を投入したが、その代わり端にも間島君が内野安打で出て、修徳ペースは続いていくかに思われた。ところが、ここで三振と盗塁失敗の併殺があって、一気に流れが変わる。

 6回に日大一は二死二塁から2番加藤駿君の中前打で1点を返す。さらに7回にも連打で好機を作る。この回は無得点だったが、修徳の荒井高志監督は唐津君が捉えられてきたと見て、8回から1年生の堀木君を投入。しかし、1番からの好打順の日大一はそこを捉えて武藤君と加藤君の連打とバントで一死二三塁。暴投で1点差とし、4番内田君の左線二塁打でついに同点とした。

 修徳ベンチはここで3人目として長柄君を投入して何とか凌ぐ。
こうして試合は、すっかり日大一の流れとなって延長にもつれ込んだ。ところが、ここからは10回、11回と修徳が連続で先頭打者が安打で出てバントでしっかり送ったものの、その後がなく得点を奪えないという、いささかもどかしい展開。日大一の梅村君の球も下手から、思っていた以上に伸びていたようだった。それに走者を背負ってのクイックも早かった。

 こうなってくると、13回からのタイブレークもある程度頭に入れながらの戦いとなっていく。そんな12回、日大一は先頭が四球で出て、一死満塁まで攻めるものの、長柄君が踏ん張って最後は6~4~3の併殺で切り抜ける。そしてその裏、修徳は先頭の芳賀君が死球で出ると代打鈴木啓太君は思い切って打って行き三遊間安打して一二塁。ここで、けん制悪送球があり無死二三塁。こうなったら、岡崎君はバントの必要はなく「思い切って打て」の指示通り叩いて中前打となりサヨナラ。

 主将でもある岡崎君は、「守備でしっかり守って、攻撃へつなげていく自分たちの野球をやり切れた」と納得していた。荒井監督は、「継投もそうでしたが、5回の併殺でチャンスを潰してしまったところも、自分の迷いが出ていました。一番反省しなくてはいけないのはボクでしたね」と、34歳の青年監督は苦笑していた。それでも、何とか次へつなげられたことには安堵していた。

(文=手束 仁

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