シードの國學院久我山が細かく得点を重ねて8回コールド勝ち

 初戦となった2回戦で都立の高偏差値体型と言われた都立西との試合に勝ち、勢いづいてここまで来た都立国立。それに対して國學院久我山は春季大会ベスト8でシード校として第73回大会以来の甲子園出場を狙う。
 久我山は188cm85kgという恵まれた体格のエース高下君、都立国立は背番号3、やや右サイド気味の投法の阿部君が先発。

 初回の國學院久我山は先頭の西川君が中前打するとバントで進め、四球と2つの内野失策で3点を奪う。さらに2回にも二死三塁で岡田君が強いゴロで一二塁間を破って1点を追加する。國學院久我山が優位に進める形になった試合は、5回にも失策の走者をバントで進めると4番宮﨑君の左翼線二塁打と6番坂口君の左前打でなおも2点を追加する。

 都立国立の福谷真一監督はたまらずここで阿部君を一塁へ戻して、リリーフに山中君を投入したが、制球がままならず連続四球。これはいけないと、すぐに3人目の延安君に代った。延安君が満塁のピンチ何とか凌いで反撃したい都立国立だったが、高下君に対して反撃の糸口が見出せない。都立国立打線は、2回4回ともに先頭の4番鈴木 太陽君が安打で出るも、二塁までは進んだがあと一本が出なかった。

 そして8回に國學院久我山は四球とバントなどでチャンスを広げて、最後は暴投で7点目のホームを踏んで試合終了となった。終わってみたら、國學院久我山は6安打で7点という効率の良さを見せた。初回の3点は、記録上は打点はつかないものの、しっかり強い打球を転がしていったことにより、相手のミスを誘発したということでは、貰った得点というよりは、奪い取ったといってもいいであろう。

 就任6年目、國學院久我山の尾崎直輝監督は、「今日は目立ったミスもなく、いい戦いが出来たと思います」と内容には納得していた。そして、高下君に対しても、「気持ちの入った、エースらしい投球をしてくれたと思います。今年のチームはバッテリーがしっかりしているので安定感がある」と、ここへ来てチームの完成度としてもいい手ごたえを感じているようだ。

 ここまで3人の投手を使い分けながら戦かってきた国立。1日前に1番をつけた徳田君が130球近く投げていたということもあって、この日の先発はもう一人のエースと言ってもいい阿部君になったという。福谷監督は、「初回のエラーで点をやってしまったというので流れを与えてしまって、最後まで取り戻せなかった。打線としても、相手の投球を呼び込んで逆方向へはじき返していこうということをやってきていたのだけれども、それを実行できなかった」と、やろうとしていたことがやり切れなかったことを残念がった。

(文=手束 仁