中盤で追いつき、流れを引き寄せた豊島学院がサヨナラ勝ち



5回と一死を2安打のみで0に抑えた豊島学院・浅子君

 午前中の好天とはうって変わって、雨雲も接近してきて、時折雨も降りながら冷たい風も吹いてくるという悪コンディションとなってしまった試合。それでも、試合そのものは、緊迫感のある展開となり、最大4点差を中盤に追いついた豊島学院がそのまま試合の流れも引き寄せて、サヨナラ勝ちした。

 序盤は都立葛飾野の展開だった。

 初回、都立葛飾野は先頭の橋口君が中前打で出ると、盗塁と死球、バントなどで二死二三塁として、下浦君の一打が失策を呼んで先制。すぐに、2回に失策で同点となったが3回、都立葛飾野は3番高橋君の安打と失策などで一死二三塁としてから下浦君の左前打で2者を帰す。さらに連打でチャンスを広げながらも、金谷君の中飛は犠飛とならず本塁刺殺で併殺。4回にも、高橋君の右越三塁打で2点を追加しているのだが、結果的には、ここで追加点を奪い切れなかったことがその後になって響くこととなる。

 豊島学院の佐久間一樹監督は4回、4点差とされて、さらに下浦君に対して四球を与え、続く鈴木君にも2球ボール球が続いたところで、先発の背番号6の石黒君を下げる。リリーフには2年生ながらエースナンバーを背負う浅子君を投入した。浅子君は180cm、62kgという登録で、一見線は細そうだが、スムーズなフォームから伸びのある球で投ゴロに抑えた。その後も、外角低めにしっかりと投げ込んで相手打線を抑えて流れを呼び込むに十分だった。

 4点差とされた直後、豊島学院は5番西田君以下、岩坂君、山下君の二塁打と続いて1点を返し、さらに一死2三塁で9番に入っていた浅子君が左中間を破る二塁打で1点差となる2点二塁打を放つ。そして5回、二死二三塁となったところから山下君の右前打でついに同点とした。豊島学院としては前半で同点に追いつけたことで試合を振り出しに戻せたことが大きかった。

 6回以降は浅子君と、6回から登板した左腕でやや横手投げ気味の添野君との投げ合いとなり、前半の展開とは異なったものとなった。逆にこうなると、一つの四死球やミスが命取りになりかねないかなということになる。前半までの点の取り合いとは違って、延長もあり得るかなという試合展開になってきた。ただ、流れとしては何となく豊島学院の方に傾いてきているかなという印象だった。

 そして迎えた9回、都立葛飾野は一死から代打佐藤大地君が安打して、代走松田君が二盗を決めるなどして三塁まで進めたものの浅子君を攻略しきれなかった。その裏、豊島学院は死球と5番西田君の一塁横の安打と暴投で二、三塁とする。その後二死満塁となって、8番芦谷原君は、押し出しを警戒したのかやや球が真ん中に集まりすぎ添野君の投球を捉えた。打球は、中前へ狙いすましたように落ちた。三塁走者が帰ってサヨナラとなった。

 結果としては豊島学院の継投が成功。浅子君の投入で流れを変えたことが勝因となった。

 豊島学院は今大会登録人数は13人。そのうち3年生が11人で2年生は2人しかいない。夏以降を考えると、どうしても新入生は多く確保したいところでもあろう。そのためにも、この日のサヨナラ勝ちはいいアピールになったのではないだろうか。

(取材=大島 裕史)

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