正則学園・飛渡翔太、10奪三振完封勝利も満足せず



完封勝利の飛渡翔太(正則学園)

 都大会出場を目指す正則学園。夏は初戦敗退と悔しい負けに終わっただけにこの秋は大暴れしたいところだ。

 試合は1回表、正則学園は一死から2番鴨志田裕太、3番竹内純の連打でチャンスを作り、4番牧口暁洸の適時二塁打で2点を先制する。

 投げてはエースの飛渡 翔太が好投。飛渡は夏から経験を積んでいる169センチ80キロの右腕である。

 飛渡はゆったりとワインドアップから始動する。これは勢いあるワインドアップの方が球速が出ると思って、ワインドアップにしているようだ。左腕のグラブをぐっと掲げて、内回りのテークバックから豪快に振り下ろす投球フォーム。肘が立って投げられるフォームで、縦回転がかかったストレートを投げることができる。

 球速は常時125キロ~132キロぐらいなのだが、東京成城打線がことごとく空振りを繰り返す。また、この日は梨本監督からスライダー禁止令をいわれており、ストレート一本で投げた。また飛渡は常に全力で投げるのではなく、自分にスタミナがないことを自覚しており、3番~5番以外にはストレートを抑えめにして、クリーンナップには全力投球をするピッチングを見せた。また飛渡は120キロ中盤の速球は微妙にカット気味になるので、成城打線は対応に苦労していた。

 正則学園打線は安打が出ても、なかなかヒットが出ない苦しい試合展開だったが、8回表、5番森田 隼斗の三塁打で、6番飛渡が二塁打を放ち、3点目。8番伊藤 憲稀が左前適時打を放ち、4対0と突き放しに成功した。梨本監督は「ようやくヒットは多く出るようになったのですが、長打があまり出ないでしょう。また、簡単に打ち上げるフライも多い。内容面ではまだまだですね」と打撃内容に注文をつけた。

 飛渡は9回裏に全力投球。この日、最速の132キロを連発し、10奪三振完封勝利。盤石のピッチングを見せたように思えたが、梨本監督も、飛渡もピッチング内容に満足していない。まず梨本監督は「三振狙っていたのか、球数が多かったですね(144球)。もう少し打たせて取る投球を意識して、球数を少なく完投をすればもっとよかったと思います」と球数の多さを指摘。

 飛渡は「場面によっては三振を狙いにいったところはあります。でも僕は三振を狙いすぎると、力む傾向があるので、僕まで打たせて取る投球を中心に。ただ今日は球数は多いですし、四死球は4つですので、満足していないです」と笑顔はなかった。

 正則学園からすれば、まだ打撃が仕上がっていないので、飛渡にかかる期待は大きくなる。飛渡は「さらにコントロールを磨いて、またスタミナもつけて、最後まで勝負できる投手になりたい」と先発完投できるエースとしてしっかりと課題を把握している。

 実力ある選手を揃えるイメージがある正則学園だが、都大会進出は2014年春以来。かなり久々の出場である。梨本監督の飛渡に対する注文の多さは期待の裏返し。課題を乗り越え、都大会開幕までには、勝利に導く絶対的なエースへ成長を遂げたい。

(文=手束 仁

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