日大三、9回に一挙8点!健闘の佼成学園を振り切り7年ぶり13回目の優勝



優勝を決めた日大三

 吹く風は冷たいものの、青空の下で決勝戦は行われた。1回戦都立城東戦は7-1で9回まで試合をした以外は、全てコールドで勝ち上がってきた日大三。特に帝京戦の7回に、1イニングで8点を挙げるなど、打線のつながりで、畳み掛ける集中打は圧巻である。対する佼成学園は、積極的な守備と、攻守の粘り強さで勝ち進んできた。決勝戦は、そうした両校の持ち味が発揮された好ゲームになった。

 佼成学園は、肘の負傷から復帰した中村 陸人が準決勝に続いて先発。日大三は昨年の櫻井 周斗のように、背番号8をつけながらも、主戦投手の1人として活躍する中村 奎太が、準々決勝に続いて先発し、中村対決になった。

 1回表日大三は、四球2に、3番・日置 航の右前安打で一死満塁とする。ここで1本出れば、初回からワンサイドの展開になる可能性があった。しかし5番・飯村 昇太は投ゴロ。1-2-3と、絵にかいたようなホームゲッツーで、日大三は無得点に終わる。

 その裏佼成学園は、1番・笹渕 勇武が右前安打で出塁すると、2番・幸田 一真は三塁前にバント。これを日大三の三塁手・金子 凌が、処理を誤り、無死一、二塁。3番・岸川 智哉、4番・松下 豪佑と内野ゴロが2つ続く間に、佼成学園が1点を先制する。

 2回裏も佼成学園は、6番・平澤 飛龍、7番・江原 秀星の連続安打に、8番・中村の犠打で一死二、三塁とし、9番・岡田 舜の遊ゴロを、日大三の遊撃手日置が本塁に送球したが間に合わず、1点を追加した。「バント処理で慌てたり、1回、2回はバタバタでした。これが決勝戦の緊張かなと思います」と、日大三の小倉全由監督は語る。

 日大三佼成学園の先発・中村を捉えたのは、4回表だ。この回先頭の3番・日置が左中間を破る二塁打で出塁し、4番・大塚 晃平の中前安打で還り1点を返す。さらに飯村の犠打を挟んで、6番・中村、7番・柳澤 真平の連打で同点に追いつく。なおも攻撃が続き、9番・齊藤 龍二の四球の後、1番・金子の右前安打で日大三が逆転する。引き続き二死満塁。日大三としては、得意の集中打で、一気に引き離したいところだ。しかし、2番・木代 成の左翼へのライナーを、佼成学園の左翼手・笹渕が好捕。佼成学園らしい果敢な守備で、傷口を広げない。

 5回表からは、佼成学園は中村に代えて、この大会成長した青木 翼をマウンドに送る。

 日大三は青木から5回表は無死一、二塁、7回表は大塚の三塁打で二死三塁とチャンスを作るものの、得点を奪うことができない。「打てそうな感じなのに、小さな変化球にてこずりました」と日大三の小倉監督は言う。

 一方佼成学園は、6回裏に5番・斉藤 功大がレフトスタンドに本塁打を放ち、同点に追いつく。

 7回裏日大三は、先発の中村を中堅手にし、マウンドに井上 広輝を送る。神宮球場で行われた今大会の準決勝、決勝の3試合で、スコアボードのスピードガン表示で、初めて140キロ台を記録するなど、東京の高校球界を代表する速球投手である井上だが、7回裏は、この回先頭の笹渕を四球で出し、2番・幸田が送り、三番・岸川が流して右前安打にして笹渕が生還。佼成学園が1点をリードする。