この2点は大きかった。早稲田実業の先発・雪山 幹太は、夏の大会の経験を経て、堂々とエースの風格が出てきた。この試合では、ストライクゾーンを幅広く使い、関東一打線を封じる。早稲田実業は6回裏にも雪山の二塁打などで1点を追加する。

 しかし7回表は、関東一の5番・野口 洋介の左前安打、8番・大久保 翔太の右中間への二塁打などで二死二、三塁となったところで、早稲田実業は雪山を三塁手にし、マウンドに1年生の伊東大征を上げた。

 関東一の米澤監督が「伊藤君の方が、キレがありました」というように、力強いストレートと、最後はキレのいいスライダーで代打・谷口 龍汰を三振に仕留め、早稲田実業はピンチを脱する。

 早稲田実業は8回裏にも敵失に乗じて1点を取り、5対1で強豪対決を制した。

 7番打者である横山が本塁打でチームの勝利に貢献した形になったが、清宮 幸太郎が抜けた分、粒が小さくなったのは確かで、野村 大樹は「つなぐ野球をしたい」と語れば、和泉監督も「高校野球に戻った感じ」と語る。ただし、雪山、伊藤という投手陣がしっかりしており、その分、前のチームに比べ、安定感がある。

 早稲田実業にとっては、一難去ってまた一難。次の相手も強豪である国士舘。雨の影響で、10月もあと1週間という段階でようやく2回戦が終わるという、かつてない遅いペース。ここからの、コンディションの持って行き方も重要になってくる。

 関東一は、5年前の秋に初戦で敗れて以来、最低でも8強以上の成績を収めていたが、早稲田実業の前に2回戦で敗退した。それでも関東一の米澤監督は、「チームとして完敗でした。もう一度鍛え直したい」と語った。二松学舎大附に続き、関東一も春はノーシードで戦うことになる。ひと冬超えた関東一は、他校にとって、一層驚異の存在になるに違いない。

(文=大島 裕史)

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